アルコールとがんの関係が、権威ある科学誌でついに認められる

2018年1月10日2024年10月2日

ついに出たか、と思いました。

世界的に権威のある科学誌「ネイチャー」(“nature”, ウェブ上でnature.comのサイトがある)で、2018年1月3日付で、アルコール摂取がDNAを損傷してがんのリスクを高めるとの研究結果が発表されたのです（記事タイトルは”Alcohol and endogenous aldehydes damage chromosomes and mutate stem cells”）。これは、イギリスのケンブリッジ大学のケタン・パテル(Ketan J.Patel)教授が率いるチームによる研究です。

日本語での概要は、ニューズウィーク日本語版の2018年1月9日付のウェブサイト記事「アルコールとがんの関係が明らかに　DNAを損傷、2度と戻らない状態に」で分かりやすく書いてあります。

この記事の中に、「英国のがん研究所がアルコールとの関係が特に指摘されているがんの種類として、口腔がん、咽頭がん、食道がん、乳がん、肝臓がん、大腸がんを挙げている」との記載があります。

他ならぬ私は乳がん経験者で、今も定期的に検査を受けて再発がないかチェックしなければならない身です。これまで私は、アルコールががんのリスクを高めるという情報も沢山目にしてきましたが、今回のようにはっきりと研究結果が出ているのを見たのは初めてです。

私が主治医からはっきりと禁止されたのは喫煙だけでした。飲酒に関しては、特に禁止されてはいませんでした。それでも、私は自主的に、飲酒を控えるようにしていました。

私は特にお酒が好きというわけでもないし、お酒に強くもありません。それでもビールを飲むと、次の日も何となく飲みたくなる、という習慣性なところが困るな、と個人的に感じていました。

ついつい毎日飲むようになるとお金もかかるし、体重も増えそうだし、しかもがんの心配もあるようなら、私にとってはいいことは何もありません。したがって、この際やめよう、と決めていました。

だから、今回アルコールとがんの関係を明確にした研究が「ネイチャー」という権威ある科学誌で認められたことは、個人的にはとても重く受け止めました。やっぱり私個人としては、禁酒を続けよう、と改めて思いました。

節度が大事

ただ、この研究はアルコールが原因でがんができる可能性があると注意を促してはいますが、ニューズウィークの記事によると、英国のがん研究所は、英国政府がガイドラインで規定している一定の量（1週間で112グラム）以下の飲酒であればリスクは低くなる、との立場です。

ちなみに、日本の厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」を「1日平均純アルコールで20グラム程度」としていますが、これは、がんのリスクを考慮した量という意味ではありません。1週間換算では140グラム程度に相当しますので、がんのリスクを考慮した英国政府のガイドライン（1週間で112グラム）よりも多めの数字です。

がんのリスクに関心のある人は、英国政府のガイドラインの量のほうを1つの参考にするのも、いいかもしれません。

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