乳がん実録(3) 手術でリンパ節転移が見つかり、抗がん剤が不可避に

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乳がんは女性が罹患するがんの第1位ですが、いろんな研究や治療法が常に進んでいるので、最新の確かな情報としては日本乳がん学会の「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」を見るのが、一番おすすめです。

私は右乳がんの部分切除手術のために、前日から入院し、7泊入院して退院しました。自分で自転車で行きました。

肺血栓塞栓症の時に、何の準備もないまま突然3週間入院するはめになって困った経験があったので、今回は周到に準備しました。

乳がん術後用の前開きの下着やパジャマはもちろん、スキンケア用品、洗剤やタブレットパソコン(キーボードも付けられました)も、ちゃんと用意しました。パソコンで入院中に書いた日記が、今この記事作成に役立っています。

入院して直ぐに、同室のご婦人から「とっても痛い注射」と知らされた造影剤注射を、核医学検査室で手術予定の右胸に4本も打たれました。副主治医の女医さんが「頑張ってください」と励まされましたので、必死で耐えました。

その後、核医学検査室で撮影し、シャワーを浴び、コインランドリーで洗濯と乾燥をして、夕食を食べて、9時消灯であっという間に寝ました。しかし、普段の寝具に比べて、病院のベッドのマットが硬く、よく眠れませんでした。この寝具の硬さで手術後に腰痛となって、個人的には大きな問題になりました。

手術でリンパ節転移が見つかって大ショック

手術台に自分で登って横になり、麻酔の注射で「痛いっ!」と叫んだら、そこから眠りに落ちて、呼びかけられて目が覚めたら、手術が終わっていて、隣の担架みたいなベッドに移るように言われました。右の脇の下に痛みを感じました。

病室に戻ると、間もなく主治医と副主治医の先生がいらっしゃいました。主治医の先生は「乳がんの手術は成功しましたが―」と切り出されて、突然少し厳しい表情になられ、「がんがリンパ節に流れていましたので、リンパ節を切り取りました」と、おっしゃいました。

それは、大きな運命の分かれ目でした。

手術前に頂いた「病状等説明書」では、「まだリンパ節にがんが流れていない可能性」が高いとの見立てでしたから、手術と放射線治療だけで済むのではないかと期待していました。

まさか、がんが脇の下(腋窩)のリンパ節にまで来ていたとは。リンパ節郭清をしてしまったから、残りの人生でリンパ浮腫にならないよう(重い物を持たないとか注射やマッサージしないなどの)対策が必要になります。

もっと怖いのが、リンパ節を超えた転移の可能性と、それに対処するための抗がん剤治療です。

その時点では先生は抗がん剤が必要とはまだおっしゃらず、「3週間ほどで病理検査の結果が返ってきますので、それを見てから今後のことを考えましょう、とおっしゃいました。

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どういう人が抗がん剤治療が必要か?

どういう人が抗がん剤治療が必要なのかについては、日本乳がん学会の「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」に書いてあります。もちろんこれは、標準治療が前提の話です。

がんのステージによって自動的に決められているのではなく、がん細胞が乳管・小葉の中にとどまっている「非浸潤性」か、外に出てしまった「浸潤性」かが、大きなポイントになっています。

浸潤がんの場合、発見された時点で血液やリンパの流れに乗って、他の臓器に転移している可能性がありますし、画像検査で見つからない微小な転移もあり得ます。この浸潤性の有無に、ホルモン療法が有効なタイプのがんかどうか、また、リンパ節転移の進行度合いも勘案されます。

私の場合は、後で知りましたが、がん保険などの診断書に明記された病名は「浸潤性乳管がん」でした。後で知りましたが、不幸中の幸いだったのは、ホルモン療法が有効なタイプだったことでした。また、リンパ節転移は1個のみでした。

日本乳がん学会の「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」の中に、2018年2月14日時点で化学療法、つまり抗がん剤治療を行うかどうかの基準として、いくつかの指標が示されています。

ホルモン療法が有効で、腋窩リンパ節転移がない人は、他の項目にも問題がなければ、抗がん剤なしで済ませることもできます。一方、ホルモン療法が有効でも、腋窩リンパ節転移が4個以上の人は化学療法追加、つまり抗がん剤治療を行います。

では、私のような、ホルモン療法が有効で、リンパ節転移が1個の場合は、どうなるのでしょう。もちろん、その基準に出て来る、素人は聞いたこともない各種指標を見ながらの総合判断なのでしょうが、その中の1項目が「患者さんの意向」となっているのは興味深いです。

2人の友人は抗がん剤を拒否、1人は元気で1人は亡くなる

ちなみに、私の大学時代の同い年の友人の1人は、私より先にホルモン療法が可能な乳がんとの診断を得て、全摘手術をしましたが、腋窩リンパ節転移が1個だったので、抗がん剤治療を拒否しました。現時点で彼女は手術から6年が経過していて、今のところ再発・転移はありません。

一方、私の高校時代の同級生の仲良しの1人は、アメリカで生活していて、私とほぼ同時期に乳がんが発覚し、その時点では腋窩リンパ節転移はなかったものの、ホルモン療法が効かないタイプのがんだったらしく、主治医は抗がん剤治療を勧めました。

しかし、本人は拒否して、自分でいろいろ研究した食事療法やら鍼灸治療をやっていましたが、手術から約3年後に乳がんが進行して亡くなりました。最初の診断時に彼女はステージI、私はステージIIでしたが、今のところ私は手術後4年半ほど経過していて再発・転移はなく、彼女だけ亡くなってしまいました。

「いつか一緒に旅行に行こうね」と言っていた友を亡くし、とてもショックで悲しかったです。

話を入院時に戻すと、結局、まだ病理検査の結果待ちだったのに、退院時に主治医は私に、「抗がん剤はやります」と告げました。

抗がん剤治療は苦痛で、あらゆる大変な副作用があるのが恐怖でしたが(実際やってみて大変でした)、私はあっさり観念して、抗がん剤治療を受けることに決めました。ただ、1つだけ、「娘の大学受験が終わってからにしてください」とお願いしました。

ですから、温存手術の約5週間後から放射線治療を7週間行いましたが、抗がん剤治療を開始したのは、手術から6カ月半ほど経ってからでした。

ところで、6人部屋使用の1週間の入院期間中の医療費は、手術費用も含め、標準治療の保険診療の3割負担で16万円弱でした。普通は退院というとおめでたいのに、その後も放射線だ抗がん剤だと高額かつ憂鬱な治療が延々続くので、全くおめでたい気持ちはありませんでした。

先生への謝礼は、リンパ節転移発覚のショックもあったから、有名病院の大先生とは1ケタ少ない、職場の同僚の結婚式のお祝儀程度にとどめました。

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乳がん手術中に手根管症候群を発症、自分でテープで治す

ところで、乳がんの手術で困ったことが2つ起きました。1つは上述のように、病院のベッドのマットが硬くで、腰痛になったことです。お陰で、乳がんの手術の傷の痛みのためではなく、腰痛のために鎮痛剤を処方して頂いて飲むはめになりました。これは退院後に改善できました。

もう1つは、右乳がんの手術中に、右手を挙げた状態でベッドの手すりに縛り付けられていたせいか、手術後に目を覚ましたら右手の中指が痺れていて、その痺れが退院後までずっと治らなかったことです。

手術直後から、指の痺れを主治医と副主治医の先生に相談しましたが、そういう例は今までない、と当惑されるばかりでした。

これはどうやら手根管症候群という症状らしく、退院後に整形外科に相談に行きましたが、そこでも治らず、結果的に自分でアメリカ製のテーピング・セット(Carpal Solutionとの名称)を買って、何とか直しました。この件は後で詳述します(2018年3月3日付「手根管症候群の指の痺れをテーピングでほぼ解消」)。

それ以外では、うつ伏せ寝が半年間禁止されたのが、肩こり・背中こりのマッサージに行く時に困りましたが、横向きや仰向けで対応して頂けました。

リンパ浮腫に怯える日々

なお、懸念されたリンパ浮腫については、一度だけ、自分で静岡がんセンターのビデオのリンパドレナージュ的なものをマネしてみたら、ちょっと力が入り過ぎて、右手が少し太くなってやばい状態になりかけてしまいました。

それでも、保湿ローションでとても優しくリンパを流すようにちょっと撫でて、毎晩右手をクッションの上で高くして就寝するようにして、何とか大事に至らずに済みました。

今も血液検査では、手術した右手は極力使わないで、左手を使っています。ただ、抗がん剤の時、左手の血管を使い果たして、恐る恐る右手を使用したことはありました。何とか大丈夫でした。

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この記事を書いた人

元会社員、新しいことを一生懸命学び続けるブロガーです。

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