手根管症候群の指の痺れをテーピングでほぼ解消

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手根管症候群――私は自分が実際これになるまで、こんな病名を聞いたことがありませんでした。症状は、手の指の痺れです。ずっと持続します。もちろん睡眠中も。私の場合は主に右手の中指でしたが、親指と人差し指も若干痺れていました。

日本整形外科学会のサイトの説明によると、最終的には親指から中指までの3本と薬指の親指側の半分の計3本半がしびれるそうです。この範囲がこの症状に見舞われる「正中神経」の支配領域とのことです。

学会のサイトに書いてありますが、手根管症候群の原因は不明とされていて、突発性が多いそうです。正中神経が手首にある手根管というトンネル内で圧迫され、それに手首の運動が加わって手根管症候群が生じます。

ただ、妊娠・出産期や更年期の女性に多いため、それに該当する女性に発症する場合は、女性ホルモンの乱れによる滑膜性の腱鞘のむくみが原因と考えられています。手根管の内圧が上がり、圧迫に弱い正中神経が扁平化して症状を起こします。一方、手の使い過ぎや怪我でむくみが生じて、正中神経を圧迫して発症する人もいます。

私の場合は、乳がんの手術の麻酔から目覚めたら、右手の主に中指、それから親指と人差し指がビリビリ痺れていました。手術の前には何も前触れはありませんでした。ただ、更年期に差し掛かった年齢ではありましたし、毎日キーボードで手を酷使していましたし、むくみやすい体質でもありました。

私の場合は、右側の乳がんの部分切除と脇の下のリンパ切除の手術の間、右手を上げた状態でベッドの手すりに紐か何かで右手首を縛られていましたので、乳腺外科の先生にはその状況のせいで痺れるようになったのかもしれない、と言われました。

ただ、「リンパ節切除で肘が痺れることはあるんですが、指はないんです」といぶかっておられました。要するに、手指の痺れの原因は不明でした。

入院中は手指の痺れよりも、手術の傷の痛みやら硬いベッドのせいで腰痛になったことやら術後の治療の不安やらで手一杯でした。指の痺れはあっても、食事やパソコンのキーボード打ちには問題ありませんでしたので、そのうち治まるだろうと思っていました。

整形外科医からはビタミン剤を出されただけ

しかし、手術から約1週間後の退院の日を迎えても、痺れは全然治りませんでした。退院後に体力がだんだん戻って来ても、右手指の痺れだけは一向に解消しないので、近くの整形外科クリニックを受診しました。

整形外科のお医者さんはご自分の専門というか得意な部位があるらしいので、手の学会にも登録しておられるお医者さんを選びました。

入院中から、ネットで調べて手根管症候群という症状かと思っていたら、案の定その通りだと思うと言われました。ただし、クリニックでは簡易テストをしただけで、正式な検査は大病院に行かないとできないとのことでした。

ひどい場合は大病院で手術になるそうでしたが、手術しても治らない人もいる、と言われてショックでした。

私の場合は、一般的な温存治療ということで、神経の働きを助けるビタミンB12(具体的製品名はメチコバール錠)、血流を助けるビタミンE(具体的製品名はユベラNソフトカプセル)を2週間分処方してくださいました。

正直なところ、は? ビタミン剤だけ? と思いました。薬じゃないし、ビタミンサプリなら自分で近所のお店や通販で自由に買えます。

また、就寝時に痺れる指を添木(シーネ固定)器具に固定して安静を図るという方法も一般的だそうですが、お医者さんは「正式な器具は高いから、自分で作るといいですよ」と、不思議なアドバイスをされました。「右手親指を真っ直ぐにして、他の指の力を抜いた状態に保つようにしてください」とのことでした。

その後1週間ほどビタミンB12とビタミンEを服用し、自分であれこれ工夫して添え木らしきものを手作りして就寝しましたが、痺れは一向に治りませんでした。

ちなみに、その後の人生で、神経の働きを助けるとみられているビタミンB12は、抗がん剤の副作用の痺れ対策や、軽い中耳炎で聴覚が若干弱くなった時にも処方されましたが、唯一効いたかも、と実感できたのは耳の時だけでした。ビタミン剤程度で重い神経障害を治すなんて、所詮無理なのかもしれません。

[originalsc]

カーパルソリューションのテーピング

指が痺れていても睡眠障害にはなりませんでしたが、このまま一生痺れたままなのかと思うと、とても暗い気持ちになっていました。

そこで、藁にもすがる思いでネットで見つけて試したのが、アメリカ製の手根管症候群のテープでした。製品名がカーパルソリューション(Carpal Solution)となっていたのは、手根管症候群の英語名がCarpal Tunnel Syndromeだからです。

結論から言うと、私の場合は、このテーピング器具の右手用のものを使って、痺れはほぼ解消できました。ごくごく僅かにたまに痺れが残っているように感じることもありますが、普段は全く気づかない程度です。

右手の痺れなので、右手用の専用テープを入手して、最初の2週間は毎晩、その後の2週間は1日おきに、十分な指のストレッチになるようにしっかり伸ばしてテーピングして就寝します。

私の場合は、3日目くらいから少しずつ痺れが軽減し始めたような感覚がありました。28日分が完了した時には、私の個人的な感想としては、痺れの99%はなくなったと感じました。その後4年以上経ちましたが、今のところ再発はありません。

ただし、このテーピングは何日にもわたって、説明書の指示通りに忠実かつ慎重に実行しなければならず、誤ったやり方で使用すると指にとって危険かもしれないという印象でした。また、価格も決して安くないのに使用後の指の状態に個人差が出るというのも難点ですので、無条件にお勧めはできません。まずは参考動画やユーザーレビューをチェックしてみるといいと思います。


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この記事を書いた人

元会社員、新しいことを一生懸命学び続けるブロガーです。

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