フィギュアスケート

チャレンジカップで樋口新葉は世界選手権リハ、本田真凜はありえない低得点

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2018年2月22~25日にオランダのハーグでISU(国際スケート連盟)公認のフィギュアスケート国際B級大会の「チャレンジカップ2018」が開催され、女子シングルでは日本の樋口新葉、本田真凜、本郷理華の3選手がそれぞれ1位、2位、3位となった。

表彰台を独占できたのは良かったが、得点は優勝した樋口選手が203.94点、2位の本郷選手が168.79点、3位の本田選手が160.19点で、ジャッジが異なるとはいえ、全員2017年12月の全日本選手権での成績を下回った。特に、本郷選手と本田選手は、今シーズンのワースト記録となり、オリンピック出場を目指していた12月までとは別人のようだった。

本郷選手と本田選手が体のどこかに不調を抱えていたかどうかは不明だ。ただ、今回の「チャレンジカップ 2018」のショート・プログラムの競技が、世界中が湧いた平昌五輪のシングル女子フリー・スケーティングと同じ2月23日に観客もまばらなリンクで演技開始となったことで、選手のモチベーションが低いものになってしまった可能性はある。

樋口選手だけは、3月21~24日のイタリア・ミラノでの世界選手権の女子シングル日本代表に、宮原知子選手と共に選出されているから、今回の「チャレンジカップ 2018」への出場は、国際試合の場数を踏んで慣れておくという意義があった。だから、断トツの1位で、200点を超えて面目を維持できた。

しかし、本郷選手と本田選手には、モチベーションを見出すのが難しい試合だったかもしれない。日本スケート連盟の命令で出場したものの、よりによって何でこの日に五輪の裏番組みたいな小さな試合に出なければならないのか、という気持ちがあったもしれない。

特に、本田選手のショートの48.21点という信じがたい低得点は、ジャンプの力のなさを見ると体のどこかに不調を抱えていた可能性もありそうだ。そうでなければ、オリンピックを目指していた選手としてはあり得ない"惨状"で黒歴史となる。

絶不調でもISU公認大会だから記録に残ってしまう。ショートで11位だった本田選手は、フリーでは持ち直して2位に浮上したが、ショートもフリーも総合も、今期ワースト記録となってしまった。どういう事情があったのかは定かではないが、次の試合では完全復活して、名実ともに日本女子シングルのトップ選手の1人であることを見せつけて欲しい。

樋口新葉選手は世界選手権への地ならし

樋口選手にとっては、3月の世界選手権前に国際試合を経験する機会となったが、世界の強豪選手が不在のため、緊張感や気合いに欠ける試合となったかもしれない。

ショートでは特にミスはなかったが、後半の2本のジャンプの出来栄え点の加点が伸び悩んだ。ショートは69.25点(技術点38.35点、演技構成点30.90点)で断トツの1位発進だった。

フリーは後半のトリプルルッツ-トリプルトウループで転倒し、出来栄え点が2.10点の減点となり、トリプルフリップは踏み切りエッジの違反を取られた。フリーは134.69点(技術点69.48点、演技構成点66.21点、減点1.00点)でフリーも1位、総合も203.94点で1位だった。

今季の公式戦は全て200点超えを維持できている。ただ、世界選手権でメダルを狙いたいなら、グランプリ・シリーズの中国杯でマークした212.52点や今季初戦のロンバルディア杯での217.63点まで調子を戻したいところだ。

本郷理華選手はジャンプのミスで伸び悩む

本郷選手はジャンプのミスが響いて、得点が伸び悩んだ。ショートは冒頭のトリプルフリップ-トリプルトウループの2本目のジャンプで回転不足となり転倒し、後半のトリプルルッツで踏み切りエッジが不明瞭との判定となった。ショートは62.07点(技術点34.22点、演技構成点28.85点、減点1.00点)で2位発進だった。

フリーはトリプルループで回転不足と転倒、後半のダブルアクセル-トリプルトウループの2本目のジャンプで回転不足、トリプルフリップで転倒となった。フリーの得点は106.72点(技術点52.31点、演技構成点56.41点、減点2.00点)でフリーは3位だった。総合では168.79点で2位だった。

本田真凜選手は体の動きに切れがなく今季ワースト

本田選手は体調に問題があったのか、体が思うように動いていないような感じがあった。ショートの冒頭のトリプルルッツを試みたものの跳べずに無効になってしまい、そのミスを引きずってしまったようだ。

後半のトリプルフリップの連続ジャンプも2回転になって無効で出来栄えは小幅減点となった。ショートは48.21点(技術点21.21点、演技構成点27.00点)で11位発進という不本意な結果となった。

フリーは冒頭のトリプルルッツで着氷が乱れて出来栄え点が1.23点の減点となった。後半のダブルアクセル-トリプルトウループの連続ジャンプは2つ目のジャンプで回転不足を取られて出来栄え点が0.50点の減点となった。

他のジャンプも力強さに欠け、加点が少なかった。フリーは111.98点(技術点54.26点、演技構成点57.72点)でフリーは2位、総合では160.19点で3位だった。ショートもフリーも総合も今季ワーストとなった絶不調の理由は不明だが、次の試合には調子を取り戻して欲しいところだ。

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