フィギュアスケート

グランプリシリーズ・フランス大会で宇野昌磨2位、無事地元・名古屋のファイナル進出

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フィギュアスケート「グランプリシリーズ 2017」フランス大会は2017年11月17~18日にグルノーブルで開催され、男子シングルでは宇野昌磨選手が総合273.32点で2位となり、3年連続のグランプリ・ファイナル進出を決めた。1位はスペインのハビエル・フェルナンデス選手の283.71点、3位はウズベキスタンのミーシャ・ジー選手の258.34点だった。

病み上がりの宇野選手は2位、地元・名古屋のファイナル進出決定

宇野選手はインフルエンザから回復した直後で、十分な練習を積めていない中での本番となった。だが、羽生結弦選手が怪我で欠場し、日本のエースの責務が宇野一人にのしかかっており、日本で、しかも宇野選手自身が生まれ育った名古屋で開催されるグランプリ・ファイナルに出場できないなどという事態があってはならない。このため、かなりのプレッシャーで臨んだとみられる。

宇野選手は、ビバルティの「四季より『冬』」を楽曲採用したショート・プログラムの冒頭の4回転フリップでは転倒してしまった。後半の4回転トウループ-トリプルトウループは成功したものの、最後のトリプルアクセルは着氷が若干乱れて小幅減点となった。

ショートの得点は93.92点(技術点48.91点、演技構成点46.01点、減点1.00点)で、2位発進だった。カナダ大会でのショートの103.62点を10点近く下回ってしまい、ショート終了後のインタビューで、宇野選手は「苦しかった」と漏らしていた。

「トゥーランドット」を曲に用いたフリーでは、冒頭の4回転ループとその次のトリプルアクセルはしっかりと加点を獲得できたが、その後はジャンプのミスが相次いだ。病み上がりで十分な通し練習もできていなかったとみられ、後半になると苦しそうな表情にも見えた。

後半の得点源のはずだった4回転フリップは何とかこらえたものの回転不足を取られ、4回転トウループは回転不足で転倒し、トリプルアクセル-シングルループ-トリプルフリップの3連続ジャンプでも転倒した。フリーは179.40点(技術点90.20点、演技構成点91.20点、減点2.00点)で1位だったが、カナダ大会の197.48点を大きく下回った。それでも、総合273.32点で2位となり、無事グランプリ・ファイナル進出が決まった。

強いフェルナンデス選手が復調を見せる

ハビエル・フェルナンデス選手は、中国大会では軽い胃痛に見舞われていたそうで、6位という不本意な結果に終わったが、地元・ヨーロッパでの大会では復調を見せた。羽生選手と同じブライアン・オーサー・コーチの門下生だが、NHK杯までは、胆のう手術明けで同行しなかったオーサー・コーチが、今大会には姿を見せた。

フェルナンデス選手のショートは圧巻で、107.86点(技術点60.00点、演技構成点47.86点)で、2位以下に14点近い大差をつけての1位発進となった。本来のフェルナンデス選手の強さを取り戻したように見えた。

4回転トウループ-トリプルトウループ、4回転サルコウ、トリプルアクセルというジャンプ要素は全て高い加点が付き、技術点で他の選手らを大きく引き離した。しかも、「チャップリン・メドレー」の曲の世界観を見事に表現して、演技構成点もトップだった。

もっとも、「ラ・マンチャの男」を楽曲採用したフリーでは、ジャンプのミスが相次いだ。加点が付いたジャンプは、冒頭の4回転トウループと4回転サルコウ-ダブルトウループの連続ジャンプと、後半のトリプルルッツの3つだけだった。後半の4回転サルコウは転倒した。トリプルアクセルは、1回目は着氷が乱れ、後半では回転不足で転倒して、連続にできず重複になってしまった。

それでも、卓越した表現力で、演技構成点はフリーでもトップとなり、フリーの得点は175.85点(技術点85.49点、演技構成点92.36点、減点2.00点)で2位だった。ショートの高得点の貯金で、総合283.71点となって、地元・ヨーロッパの大会で優勝を飾ることができた。

4回転を跳ばないミーシャ・ジー選手が3位

総合で自己ベストの258.34点で3位になったのは、ウズベキスタンのミーシャ・ジー選手だった。ショートもフリーも4回転を跳ばないプログラムだったものの、両方とも自己ベストを更新した(それぞれ85.41点と172.93点)。ショートは6位発進だったが、フリーではトリプルフリップの踏切エッジが不明瞭だったにもかかわらず、全てのジャンプで加点が付き、表現力でも魅了した。

ロシアのアレクサンダー・サマリン選手は、大技の4回転ルッツで、ショートでは回転不足、フリーでは手を付き、フリーの4回転トウループでは転倒した。結果、ショートは自己ベストの91.51点で3位、フリーは161.62点で4位、総合では自己ベストの253.13点で4位に終わった。

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