フィギュアスケート

ジャパンオープン2018で宇野昌磨が調子を上げる、町田樹氷上最終章

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フィギュアスケート ジャパンオープン2018が10月6日にさいたまスーパーアリーナで開催された。この大会は国際スケート連盟(ISU)公認大会だが、フリー・スケーティングのみで日本・北米・ヨーロッパの3団体で競われ、得点はISU公認にならない。

男子シングルでは、日本の宇野昌磨選手(20)が186.69点で1位だった。また、2013年末に現役引退した織田信成氏(31)がVillage Peopleの「YMCA」に載せたノリノリのステップに加え、4回転ジャンプを華麗に決めて176.95点で2位という素晴らしい演技を見せた。

女子シングルでは平昌五輪金メダリストのロシアのアリーナ・ザギトワ選手が159.18点で貫禄の1位だった。ジャンプにミスが出た日本の坂本花織選手(18)は130.28点で2位、宮原知子選手(20)もジャンプで回転不足や転倒で苦戦して、127.99点で3位だった。

また、この日でプロスケーターを引退する"氷上の哲学者"町田樹氏が、ゲストスケーターとして特別プログラムを舞った。

ちなみに、日本の競技者の4人が冒頭登場の際にDA PUMPの「USA」を笑顔で少しだけ一緒に踊ったのが、とても楽しそうで心が和んだ。

今回は競技が終わって得点が発表される際に、テレビ東京の放送画面で全ての要素のGOE(出来栄え点)の加点減点が一覧表で一緒に提示され、とても便利だった。ネットでスコア詳細を探すのは面倒だから、今後他局も同じように、即時情報開示をしてもらいたいものだ。

なお、ルール改正の一環として、今季から3連続ジャンプの2番目のハーフループ(1Lo)がオイラー(1Eu=シングルオイラー)と呼ばれるようになった。

宇野昌磨選手は4回転で転倒も調子を上げる

宇野昌磨選手はベートーベンのピアノソナタ「月光」のプログラムで、フリー186.69点(技術点98.25点、演技構成点89.44点、減点1.00点)をマークした。9月のロンバルディア杯でのフリーの172.05点を上回り、調子が上がってきているようだが、今回の得点はISUに公認されない。

今季から採点ルールが変わって出来栄え点の幅が広がり、4回転ジャンプで転倒のような大きなミスすると4~5点の減点になると言われていたが、確かに4回転サルコウで4.13点、4回転フリップで4.13点の大幅減点になった。一方、単独のトリプルアクセルでは3.54点の大幅加点を獲得した。

町田樹ワールドの氷上最終章

筆者がフィギュアスケートに関心を持つきっかけを作ったのが町田樹氏と言っても過言ではないため、町田氏の氷上最後の舞いには感慨深いものがあった。

と言っても、筆者はさいたまアリーナの会場には行けず、テレビ東京の時差放送で一部始終を観ただけだ(BSテレ東で10月11日(木)17時29分より再放送予定)。町田氏のラストダンスとなったカーニバル・オン・アイスでの演技は、テレビ東京系で10月8日(月祝)正午より放送されたもので観た。

町田氏は競技前のゲストスケーターとして、この日のために用意したDouble Bill「そこに音楽がある限り」①シューベルト「楽興の時 第3番」②エルガー「愛の挨拶」の2曲連続プログラムを舞った。解説者としてテレビ東京と仲良しとはいえ、プロスケーターとしては破格の扱いだ。それだけスケート界で愛されての、現役・プロと2度の引退となった。

ちなみに町田氏はピアノ曲はプロ1年目にもシューベルトの即興曲を採用していたが、ロマンチシズムに走るショパンよりも、若干感情抑え気味で古典派寄りのシューベルトのほうを好むようだ。現役最後のフリーも古典派・ベートーベンの第九「歓喜びの歌」だった。

細身のバレエダンサーのような町田氏の、お馴染みの左右に軽快に振れながら滑走するステップもこれで見納めだ。ステップの間に自然にジャンプして綺麗に着氷してそのまま踊り続けるというのを完璧に決めて、会心の演技になったのではないか。きっと内心ドヤ顔だっただろう。

「カーニバル・オン・アイス」で、町田氏の文字通りのラストダンスとなった最終演目は「人間の条件」で、9分30秒超の大作だった。本当に唯一無二の表現の熱演だった。町田氏は引退セレモニーの最後の挨拶で「一言だけ話します」と言って、フィギュアスケートが「ブームではなく文化に」なることを願うなど、3分40秒にわたってフィギュアスケート愛の熱弁をふるった(日刊スポーツの2018年10月6日付「町田樹さん引退『一言だけ話す』スケート愛3分熱弁」を参照)。

着実なセカンドキャリアで夢に向かい邁進

今後町田氏は、在学中の早大大学院博士課程でアーティスティックスポーツの研究の道を究めるとのことだ。今年4月から慶應大学と法政大学で非常勤講師も務めておられるそうだが、教えているのはダンスとの情報がある。地に足がついた堅実なセカンドキャリアの道を、希望通り歩んでおられるのが何よりだ。

放送予定

羽生選手らの今季初戦となった「オータムクラシック インターナショナル 2018」の男女シングルの競技の模様が、CSのテレ朝チャンネル2で放送される。放送予定(日本時間)は以下の通り。

拡大版録画放送(会場音のみ)
10月11日(木)18:30~ 男女ショート
10月12日(金)18:30~ 男女フリー

また、本田真凜選手や三原舞依選手が出場予定の「ネーベルホルン杯 2018」はテレ朝チャンネル2で10月13日(土)15:30から放送予定だ。

テレ朝チャンネル2はスカパー!、J:COM、ケーブルテレビ、ひかりTV、auひかりのうちのいずれかと契約すると視聴できる。

一方、高橋大輔選手の現役復帰初戦となる「近畿フィギュアスケート選手権2018」の模様は、CSのフジテレビONE スポーツ・バラエティ(CS放送)で10月8日午前11時45分から生中継される。

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