フィギュアスケート

フィギュア世界選手権で羽生結弦は圧巻も2位、ネイサン・チェンが4回転ジャンプを次々決め優勝

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フィギュアスケートの2018~19シーズンの世界選手権男子シングルは、ショート・プログラムが2019年3月21日、フリー・スケーティングが3月23日に、さいたまスーパーアリーナで開催され、米国のネイサン・チェン選手(19)が合計で世界最高の323.42点で優勝した。

怪我明けの羽生結弦選手(24)は、300.97点で2位だった。羽生選手のフリーは素晴らしかったが、ネイサン・チェンが次々と4回転ジャンプを決めて圧勝した。

3位はショート、フリーとも4回転ルッツを見事に決めた米国のヴィンセント・ゾウ選手(18)で、総合281.16点だった。

宇野昌磨選手(21)は270.32点で4位だった。ショートの4回転フリップで転倒し、フリーでは2本の4回転ジャンプで手を付いて、得点が伸び悩み、メダルを逃してしまった。

5位は中国のボーヤン・ジン(金博洋)選手(21)の262.71点だった。田中刑事選手(24)は238.40点で14位だった。

羽生結弦選手はショートで出遅れ、フリーは圧巻の演技

羽生結弦選手は2018年11月のグランプリ(GP)シリーズのロシア大会のフリーの当日朝の公式練習で右足首を負傷し、その後GPファイナルと全日本選手権を欠場し、今回が約4カ月ぶりの競技復帰だった。

「秋によせて」を楽曲使用したショートでは、冒頭の4回転サルコウの回転が抜けて2回転となり、無得点になってしまった。その後は体勢を立て直し、トリプルアクセルでは出来栄え点で3.43点の加点、4回転等ループ-トリプルトウループの連続ジャンプでは2.71点の加点を得た。

ショートの得点は94.87点(技術点48.16点、演技構成点46.71点)で、ショート3位発進となった。

フリーの直前の6分間練習では、鬼のような気迫のある形相を見せていた。「Origin」を楽曲使用したフリーでは、2本目のジャンプとなった4回転サルコウでは回転不足で着氷を何とか堪えたものの、出来栄え点で1.35点の減点となった。

しかし、それ以外のジャンプではすべて加点を得た。冒頭の4回転ループは3.45点、中盤の4回転トウループでは3.80点の出来栄え加点だった。4回転トウループ-トリプルアクセル シークエンスでは3.12点の出来栄え加点だった。

演技終了時に羽生選手は右手でガッツポーズをし、観客総立ちの中でおびただしい数のプーサンのぬいぐるみがリンクに投げ込まれていた。

美しく素晴らしい表現力で、ショートもフリーも、演技構成点はトップだった。フリーの得点は206.10点(技術点110.26点、演技構成点95.84点)で、フリーは2位に浮上した。総合ではシーズンベストの300.97点で2位だった。

演技後に今回は負けと考えていることや、来季までまだ時間があることに言及しており、来シーズンももちろん現役続行して勝ちを目指す意向を示した。

ネイサン・チェン選手は別次元の4回転ジャンパー

ネイサン・チェン選手が2019年1月の全米選手権で、国内参考値ながら342.22点という驚異的な点数を叩き出した時、どうせ国内大会は甘くなりがちだから、と決めつけていた人たちは、今回の323.42点という世界最高得点を見て黙るしかなかっただろう。

ネイサン・チェン選手は、まるで普通のことのように、次々といろんな4回転ジャンプを跳んで、その都度着々と出来栄え点の加点を稼いで行った。また、単なる4回転量産型選手ではなく、振り付けもなかなか凝っていて、表現力もある。しかも、名門イェール大学の学生で、文武両道を極めている。

東海岸のイェール大学に入学したため、ネイサン・チェン選手はカリフォルニアにいるアルトゥニアン・コーチと会える頻度が減り、一人で練習することが多くなった。しかし、本人によると、自分一人で考えるタイプなため、特にダメージは感じていない。

「キャラバン」を楽曲使用したショートでは、冒頭の楽しげで凝った振り付けが目を引いた。最初のトリプルアクセルの出来栄え2.74点の加点を筆頭に、全てのジャンプに出来栄え加点が付いた。

ショートの得点はシーズンベストの107.40点(技術点60.98点、演技構成点46.42点)で、2位のジェイソン・ブラウンの96.81点に100点以上の差をつけて、断トツの1位発進だった。

「Land of All」を楽曲使用したフリーでは、最後のジャンプとなったトリプルフリップ-シングルオイラー-トリプルサルコウの最後の着氷で何とか堪えたのが、唯一ヒヤッとさせられる場面となったぐらいで、全体として圧巻の演技だった。冒頭の4回転ルッツの高難度ジャンプでは、4.76点もの出来栄え加点を稼いだ。

フリーの得点は216.02点(技術点121.24点、演技構成点94.78点)で、フリーだけでも2位の羽生選手に10点近い差をつけて1位で、総合では今季からのルール改正後の世界最高得点の323.42点で優勝した。

今大会で3位となった、同じ米国の1歳年下のヴィンセント・ゾウ選手も、ショートとフリーで4回転ルッツで出来栄え点を3点超の加点を稼げる高難度ジャンパーだ。ライバルに追い上げられているから、ネイサン・チェン選手としても、さらに4回転ジャンプの技を磨くことに余念がないだろう。

放送予定

地上波では以下の放送予定となっている(日本時間)。

3/24(日) 深夜0:40~1:40 フジテレビ系 世界選手権 2019 エキシビション
3/27(水) 深夜2:55~4:00 フジテレビ系 世界選手権 2019 ペア・アイスダンス
4/11(木) 18:30~テレビ朝日系 国別対抗戦 2019 男女ショート
4/12(金) 19:00~テレビ朝日系 国別対抗戦 2019 男子フリー
4/13(土) 18:56~テレビ朝日系 国別対抗戦 2019 女子フリー
4/14(日) 18:30~テレビ朝日系 国別対抗戦 2019 エキシビション

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