フィギュアスケート

フィギュア世界選手権2019、女子日本勢は紀平梨花4位が最高、女子も3回転半や4回転の時代に

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フィギュアスケートの2018~19シーズンの世界選手権女子シングルは、ショート・プログラムが2019年3月20日、フリー・スケーティングが3月22日に、さいたまスーパーアリーナで開催され、平昌五輪金メダリストのロシアのアリーナ・ザギトワ選手(16)が貫禄の演技で総合237.50点をマークし、優勝した。

2位はフリーで女子シニア女子国際大会で初めて4回転サルコウを成功させたカザフスタン国籍でロシアのエテリ・トゥトビレーゼ門下生のエリザベート・トゥルシンバエワ選手(19)の224.76点だった。3位は平昌五輪銀メダリストのロシアのエフゲニア・メドベージェワ選手(19)の223.80点だった。

日本勢の最高位は、フリーでトリプルアクセル1本を成功させた紀平梨花選手(16)が、合計223.49点で4位だった。坂本花織選手(18)は222.83点で5位、宮原知子選手(20)は215.95点で6位だった。

シニア女子もいよいよ、トリプルアクセルや4回転ジャンプが国際大会でも珍しくなくなる時代に入りつつあることを予感させる大会となった。

紀平梨花選手はトリプルアクセル1本成功するもメダルを逃す

紀平選手は、「月の光」を楽曲使用したショートでは、冒頭のトリプルアクセルの回転が抜けて70.90点(技術点36.92点、演技構成点33.98点)で7位発進となった。

「A Beautiful Storm」を楽曲使用したフリーでは、トリプルアクセル2本のうち冒頭のコンビネーション・ジャンプは成功して出来栄え点で2.86点の加点を得たが、2本目で転倒したのが痛かった。残りのジャンプは全て出来栄え加点を得て上手くまとめ、フリーだけでは技術点トップで152.59点(技術点82.63点、演技構成点70.96点、減点1.00点)をマークして、2位に浮上した。

しかし、ハイレベル頂上決戦の中、総合では223.49点で4位と、惜しくもメダルを逃した。

坂本花織選手はフリーのジャンプミスが響く

坂本花織選手は、「From My First Moment」を楽曲使用したショートでは、ノーミスの会心の演技だった。後半のトリプルループでは出来栄え点で2.38点の加点を得た。ショートの得点は自己ベスト更新の76.86点(技術点41.98点、演技構成点34.88点)で、ショート2位発進だった。

「映画『ピアノ・レッスンより』」を楽曲使用したフリーでは、後半のトリプルフリップの回転が抜けてシングルフリップとなってしまった。それでも、これ以外のジャンプは全て出来栄え点で加点を得た。

最後のジャンプのトリプルループにダブルトウループを付けて連続ジャンプに変更してリカバリーを図ったものの、フリーは145.97点(技術点72.71点、演技構成点73.26点)で5位だった。総合では222.83点で5位だった。

アリーナ・ザギトワ選手は貫禄の1位

平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ選手は、今季のこれまでの不調から完全に脱却し、ショートもフリーも圧巻の演技だった。

「オペラ座の怪人」を楽曲使用したショートでは、トリプルルッツ-トリプルループの高難度の連続ジャンプで出来栄え点での加点を得た。ショートはシーズンベスト更新の82.08点(技術点44.72点、演技構成点37.36点)で、断トツの1位発進となった。

「カルメン」を楽曲使用したフリーでも、全てのジャンプに出来栄え加点が付く圧巻の演技だった。前半のトリプルルッツ-トリプルトウループの連続ジャンプでは2.28点の出来栄え加点を獲得した。また、後半のトリプルルッツ-トリプルループの高難度の連続ジャンプも無事着氷させて、1.01点の出来栄え加点を得た。

ノーミスでフリーの演技を終え、感極まって泣きそうな表情を見せていた。フリーの得点は155.42点(技術点81.16点、演技構成点74.26点)で、フリーも1位、総合では237.50点で優勝した。

トゥルシンバエワ選手はシニア女子初の4回転ジャンプを成功させる

エリザベート・トゥルシンバエワ選手は、国籍はカザフスタンで顔立ちは東洋っぽいが、ザギトワ選手と同じエテリ・トゥトビレーゼ氏に師事している。

ソチ五輪イヤーに突然国籍問題でロシアのエテリ・トゥトビレーゼ・コーチの指導が受けられなり、カナダに渡ってクリケット・クラブでブライアン・オーサー・コーチらに指導を受けていたが、その後エテリ組に復帰していた。

トゥルシンバエワ選手はきゃしゃな体ながらも、男子選手並みの4回転ジャンプを成功させて、シニア女子新時代をもたらした。

ベートーベンのピアノソナタ「月光」を楽曲使用したショートは、ノーミスで上手くまとめた。ショートの得点は、シーズンベスト更新の75.96点(技術点41.78点、演技構成点34.18点)で、ショート3位だった。

フリーでは、冒頭でいきなり4回転サルコウを無事着氷し、出来栄え点で1.11点の加点を得た。それ以外のジャンプも、単独のダブルアクセル以外は全て出来栄え加点を獲得し、フリーの得点は148.80点(技術点78.97点、演技構成点69.83点)でフリーは4位だった。総合では224.76点で2位だった。

メドベージェワ選手はようやく本来の強さを取り戻す

2016・2017年の世界女王だったエフゲニア・メドベージェワ選手は、平昌五輪で同門のアリーナ・ザギトワ選手に敗れて銀メダルに終わり、エテリ組を離れて、カナダに渡ってクリケット・クラブでブライアン・オーサー・コーチらの指導を受けるようになった。

環境が変わった今季は思うような成績を挙げられずにいたが、ようやく最後の世界選手権で本来の強さを取り戻せた感がある。

「トスカ」を楽曲使用したショートは、ミーシャ・ジーの振り付けによるものだ。冒頭のトリプルフリップ-トリプルトウループの連続ジャンプでは、2つ目が回転不足判定となってしまった。

それでも、他のジャンプは出来栄え加点を得た。また、持ち前の優美な動きでザギトワ選手に次ぐ高い演技構成点を稼ぎ、ショートの得点はシーズンベストの74.23点(技術点37.60点、演技構成点36.63点)で、ショート4位だった。

フリーでは、最後のジャンプのダブルアクセルで回転不足を取られたが、それ以外はきれいにまとめ、演技終了直後には鬼気迫る表情で何か叫んでいるように見えた。フリーの得点は149.57点(技術点76.60点、演技構成点72.97点)で、フリーは3位、総合では223.80点で3位だった。

放送予定

地上波では以下の放送予定となっている(日本時間)。

3/23(土) 18:30~21:30フジテレビ系 世界選手権 2019 男子フリー
3/24(日) 深夜0:40~1:40 フジテレビ系 世界選手権 2019 エキシビション
3/27(水) 深夜2:55~4:00 フジテレビ系 世界選手権 2019 ペア・アイスダンス
4/11(木) 18:30~テレビ朝日系 国別対抗戦 2019 男女ショート
4/12(金) 19:00~テレビ朝日系 国別対抗戦 2019 男子フリー
4/13(土) 18:56~テレビ朝日系 国別対抗戦 2019 女子フリー
4/14(日) 18:30~テレビ朝日系 国別対抗戦 2019 エキシビション

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