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樋口新葉選手はロシア大会で3位、コストナーの奇跡、メドベージェワ圧巻の強さ

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グランプリシリーズの初戦・ロシア大会の女子シングルでは、樋口新葉選手がショートプログラム(69.60点)とフリースケーティング(137.57点)の合計207.17点で3位と大健闘で、伸び盛りの16歳だから今後さらに上を目指せるとの期待も維持した。初参戦の坂本花織選手は本人自ら雰囲気に飲まれたと悔やんでいたように、フリーで伸び悩んだが、それでも194.00点で5位と、まずまずのデビューとなった。

世界選手権2連覇のロシアのエフゲニア・メドベージェワ選手は、やはり圧倒的に強かった。メドベージェワ選手は合計231.21点で断トツ1位となり、若干17歳のメドベージェワの絶対女王時代が続いていると改めて裏付けた。一方で、30歳のカロリーナ・コストナーが215.98点で2位という快挙を成し遂げた。

樋口新葉選手は不本意なミスもあったが伸び盛り

樋口新葉選手はいつもながら、スピード感があり、パワフル・躍動的な演技を見せてくれたが、去年よりも大人っぽくなって表現力も豊かになってきたように見える。ショートでトリプルルッツ-トリプルトーループの連続ジャンプで回転不足、トリプルフリップの踏み切りエッジ違反の減点を取られたのは不本意だっただろう。

フリーでは、トリプルサルコウが回転が抜けてダブルサルコウになり、ダブルアクセルの3連続ジャンプの着氷が乱れたが、それ以外のジャンプは加点が付いた。ショートもフリーも9月のロンバルディア杯での得点(ショートで自己ベストの74.26点、フリーで143.37点、合計で自己ベストの217.63点)を下回ったが、裏を返せばまだ得点を伸ばせる余地があるということだ。

樋口選手の日本女子シングルでのライバルの三原舞依選手は、10月15日のジャパンオープン2017のフリーで147.83点の自己ベストを叩きだしており、2017年の国別対抗戦で出したトータルの自己ベストは218.27点だった。また、2017年2月に左股関節疲労骨折で試合を欠場して以来まだ競技復帰していない宮原知子選手が、グランプリファイナル 2016でマークした自己ベストは218.33点だった。本田真凛選手も含め、皆まだ10代だから、シーズン中に得点を伸ばしていけるだろう。

コストナーの奇跡、メドベージェワの圧倒的強さ

一方、コストナー選手がソチ五輪で銅メダルを獲った時には驚いたが、30歳となった今回の素晴らしい演技は、それ以上の衝撃だった。優美な表現力にはさらに磨きがかかっており、30歳とは思えない奇跡の技術力を見せてくれた。フリーではジャンプのミスはなく、全てのジャンプに加点が付いた。

メドベージェワ選手は、フリーの最後のダブルアクセルで珍しく転倒したが、その他のジャンプは全て加点が付き、技術点では他の選手を大きく引き離してのトップで、演技構成点でも長い手足を活かした優美な表現力を発揮してトップだった。

2年前にシニアに参戦していきなり世界のトップに立った時は、綺麗だがどこか機械仕掛けな感じもしたが、今はただただ優美だ。日本のバラエティー番組やアイスショーに出演して大好きなセーラームーンの決め台詞を発するなど茶目っ気も見せてくれる。現時点では、メドベージェワ選手が平昌五輪の金メダルに最も近い気がする。

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