フィギュアスケート

グランプリシリーズ・アメリカ大会、無良7位で五輪出場混沌、1位ネイサン・チェン

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フィギュアスケートの「グランプリシリーズ 2017」の第6戦目のスケート・アメリカ(アメリカ大会)では、日本の無良崇人選手はジャンプの不調で総合212.77点と、7位に終わった。

1位と2位は地元アメリカの選手が占めた。優勝は4回転量産の高難度プログラムに挑む18歳のネイサン・チェン選手の総合275.88点、2位は表現力で魅せる28歳のアダム・リッポン選手の266.45点だった。

この2人に加え、3位のロシアのセルゲイ・ボロノフ選手(総合257.49点)と4位の中国の金博洋(ボーヤン・ジン)選手(総合246.03点)がファイナル進出を決めた。なお、日本の宇野昌磨選手とロシアのミハイル・コリヤダ選手のファイナル出場は、既に決定済みだ。

無良選手は体がついて来なかった?

26歳の無良選手は、ショート・プログラムでは冒頭の4回転トウループで回転不足となって着氷が乱れた。続く得意のトリプルアクセルは加点が付いたが、後半のトリプルルッツ-トリプルトウループは何とか堪えたものの若干の減点となった。ショートは75.05点(技術点37.11点、演技構成点37.94点)で7位発進だった。

フリーでは、4回転トウループが再び回転不足となった。後半のトリプルアクセルがシングルになってしまい、挽回すべく次にトリプルアクセル-トリプルトウループの連続ジャンプを入れたものの、その後は疲労が増したのか、ジャンプの回転の抜けのミスが続いた。フリーの得点は137.72点(技術点62.22点、演技構成点75.50点)で、8位だった。総合では212.77点で、12位だったカナダ大会の186.66点からは回復を見せた。

平昌五輪の男子3枠目は視界不良

日本の男子シングルの平昌五輪の出場枠は3枠あり、大方の見方では、羽生結弦選手と宇野昌磨選手は急な怪我でもない限り“当確”と思われている。しかし、グランプリ・ファイナルに宇野選手しか出場できない現状では、3人目については、12月20~24日の全日本選手権(東京調布・武蔵野の森総合スポーツプラザ)での成績が重要な決定要因となりそうだ。

今期のグランプリシリーズでの成績だけを見ると、今のところ“本命”に最も近いとみられる田中刑事選手が中国杯で247.17点で3位、友野一希選手がNHK杯で231.93点で7位、無良崇人選手がアメリカ大会で212.77点で7位、佐藤洸彬選手がNHK杯で199.20点で10位だった。また、急性肺炎でNHK杯を棄権した村上大介選手は、10月28~29日の東日本選手権では230.16点をマークして優勝していた。

ただ、平昌五輪でメダル争いに加わりそうな選手たちはいずれも、4回転ジャンプをこなして総合300点近い点数を上げている。3枠目でせっかく出場できても、最下位近くで終われば辛いだろうから、できれば入賞を狙えるよう頑張って調子を上げて欲しいところだ。

ネイサン・チェンの超高難度プログラムは成功すれば五輪金メダルも

今回のスケート・アメリカで優勝したネイサン・チェン選手は、4回転ルッツという大技をショートでは連続ジャンプで1回、フリーでは連続ジャンプ1回と基礎点1.1倍の後半の単独の、計3回成功させた。

今大会では他のジャンプでミスがあったから総合では275.88点と、同じく優勝したロシア大会での293.79点から後退した。しかし、ショート2回、フリー4回の4回転ジャンプを採り入れた超高難度プログラムだから、もし全部成功すれば平昌五輪で金メダルが十分狙えるだろう。

ショートでは苦手とされるトリプルアクセルで着氷が乱れて減点されたものの、冒頭の4回転ルッツ-トリプルトウループで2.00点の加点が付いた。ショートは自己ベスト更新の104.12点(技術点59.56点、演技構成点44.56点)で、断トツの1位発進だった。

フリーでは、冒頭の4回転ルッツ-トリプルトウループの連続ジャンプと後半の4回転ルッツの単独ジャンプには加点が付いたが、4回転フリップで手を付き、4回転サルコウが2回転になり、後半の4回転トウループの連続ジャンプが2回転になり、埋め合わせで入れた4回転トウループでは転倒し、トリプルアクセルの連続ジャンプがシングルになった。

ジャンプで多くのミスが出た結果、フリーは171.76点(技術点86.68点、演技構成点87.08点、減点2.00点)で2位だったが、ショートの貯金のおかげで、総合では275.88点で1位だった。まだ若いネイサン・チェン選手は、今後平昌五輪にむけて進化を遂げる可能性が十部あり、しかも表現力も十分あるから、日本の羽生・宇野選手にとっては強敵だ。

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