フィギュアスケート

平昌五輪フィギュア女子は宮原知子が4位、ロシアのザギトワが優勝

スポンサードリンク

平昌五輪フィギュアスケートの女子シングルのフリー・スケーティングは2018年2月23日午前から競技開始となり、日本の宮原知子選手(19)は完璧な演技で自己ベストを更新する222.38点をマークしたものの、世界のトップのハイレベルの戦いで4位と、惜しくもメダルを逃した。

坂本花織選手(17)はジャンプのミスが響いて209.71点で、6位に終わった。

ロシアから個人資格で出場の2人の天才少女が頂上決戦をして、15歳のアリーナ・ザギトワ選手が、総合で自己ベスト更新の239.57点で優勝した。2位は同じコーチのエテリ・トゥトベリーゼ女史に師事する世界女王のエフゲニア・メドベージェワ選手(18)の238.26点だった。

3位はカナダのケイトリン・オズモンド選手(22)の、自己ベスト更新の231.02点だった。

宮原知子選手は完璧な演技ながらメダルにあと一歩及ばず

宮原知子選手はオリンピックの大舞台でショート・プログラムに続き、フリーでも自己ベストを更新する大躍進だったが、ハイレベルの戦いでメダルに届かず4位に終わった。フリーの楽曲は「蝶々夫人」。

宮原選手は全ての要素で加点を獲得し、「ミス・パーフェクト」ぶりを発揮した。また、持ち前の表現力で、伸びやかで美しい動きで魅了した。

ただ、ジャンプの出来栄え点の加点が最高だったのが、後半のダブルアクセル-トリプルトウループの1.20点だった。より上位となった選手たちが1.5点を超える加点を得ていたのに比べて加点幅が若干少ないのは、小柄で高さが出にくいことが不利に働いたせいなのだろうか。

宮原選手はノーミスの会心の演技を終え、笑顔で力強くガッツポーズした。

フリーの得点は自己ベスト更新の146.44点(技術点75.20点、演技構成点71.24点)で、フリーは4位、総合でも自己ベスト更新の222.38点で4位だった。インタビューで宮原選手は「結果は悔しいけど、やれることは全てやった」と清々しかった。

坂本花織選手は健闘するがミスが出て6位

坂本花織選手は健闘したが、ジャンプのミスが響いて6位だった。フリーの楽曲は「映画『アメリ』より」。

前半は豪快にジャンプを次々と決めたが、後半のトリプルルッツで、まさかの踏み切りエッジの違反を取られた。また、トリプルループで着氷が乱れて、出来栄え点で1.40点の減点となってしまった。

フリーの得点は136.53点(技術点68.42点、演技構成点68.11点)で、フリーは6位、 総合では209.71点で6位だった。

インタビューで坂本選手は「ノーミスでできなかったことは悔しかったんですけど、できることはやりきった」「いつも以上に緊張した」と述べていた。

15歳のアリーナ・ザギトワ選手がオリンピックを制す

個人資格で出場のロシアの2人の同門の天才少女が頂上決戦をし、シニアデビューしたばかりの天才少女のアリーナ・ザギトワ選手が、15歳にしてオリンピックを制した。楽興はバレエ音楽の「ドン・キホーテ」で、お馴染みの赤いバレリーナ風の衣装だった。

ショート同様、全てのジャンプを基礎点が1.1倍になる後半に配置し、コレオシークエンスからスタートし、全ての技術要素で加点を獲得した。

最初のトリプルルッツの連続ジャンプが単独になるという、ザギトワ選手には珍しいミスがあった。しかし、2度目のトリプルルッツにトリプルループを付けて高難度の連続ジャンプのリカバリーを見事に成功させ、出来栄えで1.70点の加点を得て、この連続ジャンプだけで13.91点を稼いだ。

ザギトワ選手は観客総立ちの中で笑顔で演技を終え、右手でガッツポーズをした。

フリーの得点は156.65点(技術点81.62点、演技構成点75.03点)で、フリーはメドベージェワ選手と同点ながら演技構成点が及ばず2位とされた。しかし、総合では自己ベスト更新の239.57点で1位だった。

エフゲニア・メドベージェワ選手が僅差で2位

世界女王のエフゲニア・メドベージェワ選手も全ての要素で加点が付き、しなやかで美しい表現でも魅了する圧巻の演技だったが、同門の後輩・ザギトワ選手に僅かに届かなかったショートでの差がそのまま総合点に影響した。フリーの楽曲は「映画『アンナ・カレーニナ』より」。

メドベージェワ選手は、冒頭に予定していたトリプルフリップにトリプルトウループを付けて連続ジャンプにし、代わりに基礎点が1.1倍になる後半のトリプルフリップの連続ジャンプを単独にした。こうして、体力のある冒頭で連続ジャンプを確実に決め、後半のトリプルフリップの単独ジャンプでは出来栄え点で1.90点の高い加点を得た。

仮に、この入れ替えをせず予定通りにしていたら、基礎点は上がっていたが、同じ出来栄え点ならやはり優勝するには至らなかった。

メドベージェワ選手は演技終了時に感極まって泣いていた。シニアデビュー後出場した全ての試合で優勝していたが、昨年末に右足甲の骨折でグランプリ・ファイナルとロシア選手権を欠場し、オリンピック出場をかけて欧州選手権で競技復帰した今季の苦労が頭をよぎったのだろうか。

フリーの得点は156.65点(技術点79.18点、演技構成点77.47点)でフリーはザギトワ選手と同点だったが、演技構成点がより高かったためフリーは1位とされた。だが、総合では238.26点で、ザギトワ選手に1.31点及ばず2位に終わった。

ケイトリン・オズモンド選手はジャンプのミスがあっても素晴らしい演技

カナダのケイトリン・オズモンド選手は、どちらかと言うとフリーが苦手のイメージもあったが、オリンピックの大舞台でフリーの自己ベスト更新を成し遂げて総合3位になった。楽曲は「ブラックスワン」。

ジャンプでは唯一、トリプルルッツで踏切エッジが曖昧との判定を受け、しかも着氷が乱れるミスがあって、出来栄え点で1.40点の減点となった。しかし、それ以外は完璧で、表現力も豊かで、大歓声の中で演技を終えた。

フリーの得点は自己ベスト更新の152.15点(技術点76.50点、演技構成点75.65点)でフリーは3位、総合でも自己ベスト更新の231.02点で3位だった。

-フィギュアスケート