フィギュアスケート

GPシリーズ ロシア杯で羽生結弦優勝も怪我でファイナル・全日本が厳しい状況

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フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第5戦のロシア大会の男子シングル(2018年11月16~17日)で、ソチ・平昌五輪二連覇の羽生結弦選手(23)が、フリー・スケーティングの日の公式練習中の左足首負傷にもかかわらず強行出場し、合計278.42点で優勝した。

羽生選手はGPファイナル進出を決めたが、怪我のためGPファイナルのみならず全日本選手権の出場も厳しい状況となった。

ロシア杯の男子シングルの2位はロシア出身のジョージアのモリス・クヴィテラシヴィリ選手(23)の合計248.58点、3位は友野一希選手(20)の合計238.73点だった。

一方、女子シングルではロシアの平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ選手(16)が合計222.95点で優勝し、フィンランド大会に続く連勝でGPファイナル進出を決めた。2位はロシアのソフィア・サモドゥロワ選手(16)の198.01点、3位は韓国のリム・ウンス(イム・ウンス、林恩讐)選手(15)の185.67点だった。

日本の白岩優奈選手(16)は180.93点で5位、山下真瑚選手(15)は161.22点で7位、松田悠良選手(20)は137.99点で9位だった。

羽生結弦選手は絶好調のショートの後、怪我に耐えフリーを滑り切り優勝

羽生選手は「秋によせて」のプログラムを使用したショート・プログラムでは絶好調だった。冒頭の4回転サルコウでは出来栄え点で4.30点、カウンターからのトリプルアクセルも3.31点の高い加点を得た。4回転トウループ-トリプルトウループの連続ジャンプでも3.12点の加点だった。

美しく完璧な演技で、ショートの得点は世界最高の110.53点(技術点62.44点、演技構成点48.09点)で、断トツのショート1位発進だった。

しかし、フリーの日の公式練習中に、4回転ループの着氷に失敗して転倒した際に左足首を負傷し、しばらく動けなくなった。立ち上がった後、ジャンプは飛ばずに早々に引き揚げた。羽生選手は過去にもシーズン中に重大な怪我や病気に何度か見舞われたことがあり、まさか今回も、と世界中が懸念した。

羽生選手はフリーを棄権せず、ロシアの地でエフゲニー・プルシェンコがかつて用いた曲をリアレンジしたプログラム「Origin」を滑った。怪我のため、プログラムの構成を急きょ変更して臨んだ。

怪我にもかかわらず、当初のジャンプは素晴らしかった。冒頭の4回転サルコウは出来栄え点で3.60点の加点、さらに次の4回転トウループは完璧で美しく、4.34点もの加点を獲得した。

だが、中盤以降は怪我の影響が出始めた。3回転フリップでは踏切エッジが不明瞭との判定を受けた。4回転トウループからの3連続ジャンプでは、最後のトリプルサルコウで回転が足らずダウングレード判定になった。トリプルアクセルでは回転不足で転倒し、最後のジャンプは回転が抜けてシングルアクセルとなった。

それでも羽生選手は苦痛に耐えて最後まで滑り切り、フリーの得点は167.89点(技術点78.25点、演技構成点90.64点、減点1.00点)で、フリーも1位だった。合計では278.42点で優勝し、GPファイナル進出を決めた。ただ、現実にはファイナル棄権になりそうだ。

競技後に羽生選手は松葉杖で会見し、「靱帯の損傷には間違いない。はっきりドクターの指示を言ってしまえば3週間は安静。調整期間まで考えると、全日本も厳しい」と明かした。また、「よく頑張ったではなくて、素晴らしかったよと言ってもらえる演技をしなくてはいけなかった」「コーチから『全部きれいにやったらやってもいいよ』と言われていたんですが、できなくて残念」と、悔しさをにじませていた(日刊スポーツの2018年11月18日付「羽生結弦GP初連勝も足首負傷3週間安静必要の診断」を参照)。

放送予定

地上波では以下の放送予定となっている(日本時間)。

11月23日(金)26:20~テレ朝関東ローカル/東日本放送 GPフランス大会 男女ショート(田中刑事・三原舞依・本田真凜・紀平梨花ら出場)
11月25日(日)10:00~テレ朝 GPフランス大会 男女フリー(田中刑事・三原舞依・本田真凜・紀平梨花ら出場)
11月25日(日)18:00~19:55 BSフジ 全日本ジュニアフィギュアスケート選手権2018
12月7~10日 テレ朝(詳細未定) GPファイナル

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