フィギュアスケート

フィギュアスケートのルール変更は男子に影響大、羽生選手に有利か不利か?

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国際スケート連盟(International Skating Union, ISU)はスペインのセヴィリアで6月4~8日に総会を開催する。今回から総会の模様が ISUのYouTube公式チャンネルで生中継されるそうだ(どのレベルの会合かは不明)。

さまざまな議題があるが、当然ながら、フィギュアスケート選手にとっての最大の関心事は技術的なルール改正だ。今回の改正は特に、男子シングルへの影響が大きいとみられている。

これまでに報じられたところでは、フィギュアスケートではフリー・スケーティングで跳べる4回転ジャンプを1種類につき1度に制限する改正案が入っている。また、技を評価する出来栄え点(GOE, Grade of Execution)を、現在のプラス3点からマイナス3点までの1点刻みの7段階から、プラス5点からマイナス5点までの11段階に拡大する改正案も審議される(時事通信社の2018年5月16日付「フリーで同一4回転1度に=ISU改正案、総会で審議」を参照)。

また、男子のフリーの演技時間を現行の4分30秒から女子と同じく4分に短縮して、ジャンプの数も8本から7本に減らすという提案もある。さらに、演技後半のジャンプの基礎点を1.1倍にするという現行ルールに、何らかの変更が提案されるとも言われている(Web Sportivaの2018年5月11日付「『羽生結弦が有利になる』は本当か? フィギュア男子の30秒短縮」を参照)。一部では、シニアの年齢を15歳から引き上げるかどうかが話題になるのではないかとの観測も出ている。

羽生選手は出来栄えでは有利だが4回転ジャンプの種類では不利かも?

ルール変更には往々にして政治的な背景があるとみられがちで、端的に言って、オリンピックや世界選手権のトップ選手がターゲットにされるのではないか、アメリカの選手に有利に働くのではないか、という目で見る人も結構いる。

今回は分かりやすく言うと、多種類の4回転ジャンプが武器のネイサン・チェン選手、高い出来栄え点を獲得し続けてきた羽生結弦選手、演技後半に全てのジャンプを集中させたロシアのアリーナ・ザギトワ選手に有利になるか不利になるか、という目で見る人が多いだろう。

羽生選手は出来栄え点でさらなる高得点が狙えそうな点では有利に思えるが、4回転ジャンプが単独・コンビネーションを問わず1種類1回のみに制限されるようでは不利かもしれない。もっとも、羽生選手は4回転のジャンプの種類を増やすことに意欲的だから、また違った展開になっていくだろう。

ただ、一部の国の審査員の自国贔屓も含め、出来栄えの評価が主観的になってしまうという問題は、今後も続きそうな気がする。将来的には、人工知能などを採り入れてより客観的な評価ができる時代が来るのだろうか。

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