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フィギュアスケートのジャンプのルール変更案が固まる、年齢制限も議題

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国際スケート連盟(International Skating Union, ISU)がスペインのセヴィリアで2018年6月4~8日に総会を開催するが、フィギュアスケート・ウォッチャーにとって最大の焦点は競技でのルール改正だ。総会で諮られる主なルール改正案が固まった。

注目されていた、4回転ジャンプの基礎点引き下げと出来栄え点の幅の拡大の組み合わせ案の詳細が固まった。総会で決定されれば、2018~2019年シーズンから適用される。また、シニアの年齢制限の下限を17歳以上へと引き上げることも、総会での議題となる見込みだ。

4回転ジャンプの基礎点を下げて、出来栄え点の幅を拡大

時事通信社が5月25日に報じたところによると、ISUは6種類ある4回転ジャンプの基礎点を2016年6月改定の現行水準から、0.8~2.5点の幅で全て引き下げる案を固めた(時事通信社の2018年5月25日付「ジャンプ基礎点を引き下げ=4回転半は2.5点減―フィギュア」を参照)。

この案が総会で了承されれば、羽生結弦選手も目指しているクワッドアクセル(4回転半)の基礎点は、現行の15.0点から2.5点引き下げられて12.5点となる。ルッツは13.6点から11.5点へ、フリップは12.3点から11.0点へ、ループは12.0点から10.5点へ、サルコウは10.5点から9.7点へ、トウループは10.3点から9.5点へと引き下げられる。

なお、今回の改正案によると、3回転ジャンプの基礎点も、フリップを除く5種類で引き下げられる。トリプルアクセル(3回転半)の基礎点は現行の8.5点から0.5点引き下げられて8.0点となる。

一方、技の出来栄え点(GOE)は、現行のマイナス3点~プラス3点の7段階から、マイナス5点~プラス5点の11段階に拡大される。上述のように4回転ジャンプの基礎点は下がるものの、GOEで最高評価の5点を獲得できれば、現在よりも高い得点も可能となる。つまり、ジャンプの質がこれまで以上に重要になってくる。

シニアの年齢下限の17歳への引き上げ案

また、今回の総会では、シニアの年齢制限の下限を現行の15歳から17歳へと引き上げることも議題となる(THE ANSWERの2018年5月21日付「“皇帝”プルシェンコ、シニアの年齢制限に持論『女子は18歳まで引き上げても』」を参照)。

この提案は、特に女子選手が10代後半の体型変化によって、高難度ジャンプを次第に跳べなくなり、選手生命が短いまま終わってしまいがちなことへの対応策とみられる。

ただし、既報によると、この変更が総会で了承されたとしても、実施されるのは2020~2021年シーズン以降となる見通しだ。

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