フィギュアスケート

フィギュア世界選手権フリーで樋口新葉がリベンジ銀メダル、宮原知子は銅

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2018年フィギュアスケート世界選手権の女子シングルのフリー・スケーティング競技が3月23日にイタリア・ミラノで開催され、日本の樋口新葉選手(17、日本橋女学館高)が210.90点で2位、宮原知子選手(19、関西大学)が210.08点で3位と、日本勢メダル2個獲得の快挙を達成した。来年の日本女子シングル3枠も確保できた。

優勝したのはショート4位発進だった平昌五輪銅メダリストのカナダのケイトリン・オズモンド選手(22)で、細かいミスをしながらも貫禄の演技で223.23点をマークした。ショート・プログラム1位発進だった地元・イタリアのカロリーナ・コストナー選手(31)は、フリーではジャンプのミスを連発してフリー5位で、総合では208.88点で4位だった。

平昌五輪金メダリストのロシアのアリーナ・ザギトワ選手は、ショートは2位発進だったものの、フリーで演技後半に集中させていたジャンプのミスを連発し、まさかのフリー7位となり、総合では207.72点で5位に終わった。

平昌五輪の頂上争いで活躍した選手たちは、疲れが出たのか、五輪後の練習時間確保やモチベーション維持が難しかったのか、プレッシャーを感じたのか、今季のピークは平昌五輪だったなと思えるような結果だった。もっとも、五輪にピークを持って来るスケジュールで臨んでいたのだろうだから、驚くほどではない。

樋口新葉選手はショート8位から巻き返しノーミスで銀メダル

強い樋口新葉選手が戻って来た。樋口選手はショートでは、後半のトリプルルッツの連続ジャンプでの転倒とトリプルフリップの踏切エッジ不明瞭判定といったミスがあって、65.89点(技術点34.69点、演技構成点32.20点、減点1.00点)で8位発進と、出遅れていた。

しかし、「映画『007』より『スカイフォール』」を楽曲使用したフリーでは、ノーミスの渾身の演技でリベンジを果たした。

冒頭のトリプルサルコウで出来栄え点1.40点の加点、続くトリプルルッツ-トリプルトウループの連続ジャンプも1.30点の加点と、会心のジャンプで波に乗れた。その後も全ての要素で加点を獲得した。

ノーミスの演技でプログラムを演じ切り、演技終了時に「やったー!」と叫び、感極まって涙を見せた。フリーの得点は145.01点(技術点74.72点、演技構成点70.29点)と、自己ベストの145.30点に迫る高得点をマークし、フリーは2位だった。総合でも210.90点で2位で、銀メダルを獲得した。

宮原知子選手はジャンプミスで伸び悩むも3位

宮原選手はジャンプのミスがあったが、最後まで表現力豊かに演じ切った。ショートは74.36点(技術点37.79点、演技構成点36.57点)で、3位発進だった。フリーの楽曲は「蝶々夫人」。

冒頭のトリプルループは出来栄えで1.20点の加点を得て、順調な滑り出しに見えたが、次の鬼門のトリプルルッツ-トリプルトウループの連続ジャンプで、1つ目のジャンプで回転不足を取られて出来栄えは0.60点の小幅減点となった。ちなみに、ショートも同じ連続ジャンプの2つ目のジャンプで、回転不足判定になっていた。

後半のトリプルルッツの3連続ジャンプでは、最初のジャンプの着氷を何とか堪えたが、最後のダブルループで回転不足を取られ、出来栄えで1.40点の減点になった。また、本人が後で苦手と明かしたトリプルサルコウは、ダブルサルコウになって転倒してしまった。

フリーの得点は135.72点(技術点64.20点、演技構成点72.52点、減点1.00点)で、フリーは3位、総合でも210.08点で3位だった。

ケイトリン・オズモンド選手は細かいミスをカバーする貫禄の演技

ケイトリン・オズモンド選手はショートでは、トリプルルッツの踏切エッジ不明瞭判定やダブルアクセルの着氷失敗もあって、72.73点(技術点36.53点、演技構成点36.20点)で4位発進だった。

「ブラック・スワン」を楽曲使用したフリーでは、細かいミスはあったが貫禄の演技を見せた。

ジャンプでは、ダブルアクセルの連続ジャンプの着氷が乱れ、トリプルルッツではショート同様、踏切エッジ不明瞭判定という細かいミスがあった。

しかし、その他は概ね質の高いジャンプで、冒頭のトリプルフリップ-ダブルトウループは出来栄え点で1.60点、後半のトリプルループは1.80点、トリプルフリップは1.50点の加点を得た。

技術点に加え、表現力を評価する演技構成点でもトップで、フリーは150.50点(技術点75.35点、演技構成点75.15点)で1位、総合でも223.23点で1位だった。

アリーナ・ザギトワ選手は後半ジャンプ集中プログラムが裏目に

平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ選手は、五輪後の練習時間確保が十分できなかったのか、プレッシャーに負けたのか、疲れが出たのか、観客が驚くような絶不調になった。

全てのジャンプを基礎点が1.1倍になる演技後半に集中させる作戦が、今回は裏目に出た。最初のジャンプのトリプルルッツでいきなり転倒して、連続ジャンプが付けられず、出来栄え点が2.10点の減点となり、その後も回転不足・ダウングレードや転倒が続いた。

転倒後に態勢を十分立て直せないうちに次のジャンプを跳ばなければ曲にどんどん遅れて行くため、気持ち的にもかなり焦ったとみられる。

フリーの得点はあり得ない128.21点(技術点62.34点、演技構成点69.87点、減点4.00点)で、まだ15歳のザギトワ選手は泣いていた。フリーは7位、総合では207.72

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