フィギュアスケート

全日本選手権女子は宮原知子が貫禄の優勝、2位はシニアデビューの坂本香織

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第86回全日本フィギュアスケート選手権大会の女子シングルは2017年12月21日にショート・プログラム、23日にフリー・スケーティングの競技が行われ、優勝は宮原知子選手(19、関西大学)の総合220.39点、2位は今季シニアデビューの坂本香織選手(17、シスメックス)の213.51点、3位はジュニアの紀平梨花選手(15、関西大KFSC)の208.03点だった。優勝した宮原選手は平昌五輪の代表も即決した。

平昌五輪の女子2枠を争いつつも表彰台を逃したのが、4位の樋口新葉選手(17、日本橋女学館)の206.96点、5位の三原舞依選手(18、シスメックス)の204.67点、6位の本郷理華選手(21、邦和スポーツランド)の197.62点、7位の本田真凜選手(16、関西大中・高スケート部)の193.37点だった。

宮原選手がさすがの強さを見せ、平昌五輪に決定

宮原選手は全日本4連覇にふさわしい、貫禄と表現力に溢れる演技を見せた。ショートでは、冒頭のトリプルルッツ-トリプルトウループの連続ジャンプの2つ目で回転不足の判定を受けて小幅減点されてしまった。

後半のトリプルループとダブルアクセルは加点が付いたものの小幅にとどまった。小柄で高さがあまりないように見えるのが不利に働くのだろうか、という気もした。表現力は断トツだが、ミスが命取りになる厳しい競争の中で、ショートは73.23点(技術点37.40点、演技構成点35.83点)で、1位の坂本選手に僅か0.36点及ばず、2位発進となった。

フリーでは、トリプルルッツ-トリプルトウループの連続ジャンプの1つ目で回転不足の判定を受けたが、減点には至らなかった。その代わり、後半のトリプルルッツの3連続ジャンプが小幅減点になった。

圧倒的な表現力を武器に、フリーは147.16点(技術点72.75点、演技構成点74.41点)をマークして断トツ1位となり、総合220.39点で優勝した。昨シーズンの終盤から左股関節の疲労骨折で練習できない期間が長く、ようやく10月にジャンプの練習ができるようになり、全日本に照準を合わせた周到な調整が奏功した。

宮原選手は2015年世界選手権で2位の実績もあり、国際舞台でのプレッシャーにも強いタイプだから、日本代表にふさわしい。平昌五輪でもメダル争いに加われるレベルだ。

坂本選手はショートでは完璧

坂本選手はショートではほとんど緊張感がなく、ノーミスだった。ショートでは3つのジャンプを全て基礎点が1.1倍になる演技後半に入れたうえ、いずれも1点以上の高めの加点が付いた。ショートは73.59点(技術点40.93点、演技構成点32.66点)で、1位発進だった。

フリーではさすがにプレッシャーで緊張したようで、冒頭のトリプルフリップ-トリプルトウループでの2つ目のジャンプで回転不足を取られ、後半のトリプルルッツは踏切エッジが不明瞭の判定を受け、加点の機会を逃した。結果、フリーは139.92点(技術点72.63点、演技構成点67.29点)で、三原選手に次ぐ4位だったが、総合では213.51点で2位だった。

2位になっても平昌五輪代表に決まったわけではなく、2枠目は坂本選手か樋口選手か(あるいは三原選手も含め)、連盟の偉い人たちが総合的に判断する。

[追記 12/25]

結果的に、坂本が平昌五輪の2枠目に選ばれた。これは妥当だと思う。坂本はスケート・アメリカから全日本選手権にかけて上り調子で、ここ一番の大勝負で大きなミスのない演技ができた。全日本以上に緊張するに違いないオリンピックの大舞台に出るには、プレッシャーに負けないメンタルの強さが必要だ。

紀平選手はトリプルアクセルに3回成功

ジュニアの紀平選手はトリプルアクセルをショートで1回、フリーで2回成功させるという快挙を成し遂げた。しかし、ショートでは最後のトリプルルッツがダブルルッツになって得点なしとなり、演技構成点も伸び悩み、66.74点(技術点37.82点、演技構成点28.92点)で5位発進だった。

フリーではトリプルループで着氷が大きく乱れてしまったが、2度のトリプルアクセルが大きな加点となり、技術点が断トツだった。フリーは141.29点(技術点79.53点、演技構成点61.76点)で2位に浮上し、総合では208.03点で3位だった。

ただし、紀平選手は年齢制限でオリンピックには出場できない。15歳の今はトリプルアクセルを立て続けに綺麗に決めているが、4年後も体形変化を乗り切ってトリプルアクセルが跳べてオリンピックに出場できるようでいて欲しい。

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