フィギュアスケート

本田真凜が青森山田高に転校、米国に拠点を移してジャンプを強化

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本田真凜選手(16)が関西大学高等部から青森山田高校に転校した、とスポーツ報知が報じた。本田選手は既に、4月からフィギュアスケートの練習拠点をアメリカに移して、3月の世界選手権男子シングル覇者のネイサン・チェンのラファエル・アルトゥニアン・コーチに師事することを明らかにしていた。

アメリカに練習拠点を移すということで、アメリカの高校に行くのかと思いきや、オリンピック出場レベルの選手を多数輩出している青森山田高校に転入したという。

青森山田高校にはスポーツコースがあるが、広域通信制課程というコースもある。テニスの錦織圭選手は、中学在学中から渡米して、以後ずっとアメリカを拠点にしていたが、青森山田高校を卒業している。本田選手も同様のパターンになるのかもしれない。

筆者がまず思ったのは、エスカレーター式に名門・関西大学に進学できる道を断つという重大な決意に見合うだけの勝算はあるのだろうか、ということだ。世のお父さん・お母さんは、自分の娘が突然名門校をやめてこんな賭けに出ると言い出したら、即座に承諾するだろうか。

この大きな賭けは、経済的に余裕のない家庭であればまず考えられない選択肢でもあった。本田選手の裕福な家庭環境だからこそ拓けた道なのだろう。

現役選手としていつまで、そしてどこまで極められるかは不透明だから、親御さんとしては保険として名門大学卒業の肩書が手に入れられる万全の環境を整えたはずなのに、という思いもあったかもしれない。

そういう手堅い道を自ら捨てなければならなくなるほど、本田選手と濱田美栄コーチとの信頼関係が壊れてしまったのだろうか。濱田コーチはオリンピック4位、世界選手権メダリストの宮原知子選手を育てた実績があり、名コーチの1人だ。しかし、本田選手は自分が上を目指すためには別のコーチに師事すべきという結論を出した。

ジャンプの強化を図る

これまで外野からは、本田選手は練習嫌いだとか、芸能事務所と契約したから将来は芸能人希望なのだろうという厳しい声も出ていたが、今回本田選手は本気でフィギュアスケートで高みを目指す意志を示した。

本田選手は華があるとか表現力があるとか評されてきたが、本人が自ら語ったところでは、今の自分に足りないものは「ジャンプ」であり、アメリカのコーチは「練習が厳しい」ものの「精いっぱいできることを増やしたい」と、意欲を示している(スポーツ報知の2018年4月1日付「本田真凜、練習拠点を米国に移した理由語った『悔しさを晴らせるシーズンにする』」を参照)。

確かに、持ち前の表現力に、高難度ジャンプの実力が備われば、大躍進もできそうだ。驚異の4回転量産のネイサン・チェン選手を指導しているラファエル・アルトゥニアン・コーチを選んだのも分かる。

ただ、技術を向上させ安定させて結果を出すには、ハードな練習が不可欠だ。兄の太一選手と2人暮らしになるのか、その他に日本から身の回りの世話をする人が同行するのかは不明だが、慣れない生活にも耐えていかなければならない。

テレビ局は、結果が出ないうちに本田選手のアメリカの家にまで押しかけてタレント密着のような企画をやるのは、やめたほうがいい。

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