フィギュアスケート

フィギュアルール改正、基礎点1.1倍ジャンプ数制限決定、年齢変更なし

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国際スケート連盟(ISU)の総会が6月4日にスペインのセビリアで始まり、8日に閉幕するまでにフィギュアスケートのルール改正が決定される。

既に今回の総会前に、男子シングルのフリー・スケーティングの演技時間が、現在の4分半から女子と同じ4分に短縮され、それに伴いジャンプの数の上限も8本から7本に減ることは決まっていた。

年齢制限の下限引き上げは審議せず

5日のISU総会の審議ではまず、フィギュアスケート選手の年齢制限の下限の変更が、議題から外された。

年齢制限変更の提案はオランダ連盟から出されていて、オリンピックと世界選手権におけるフィギュアスケート選手の年齢制限を、2020~21年シーズンから現行の15歳以上(シーズン前の7月1日時点)から17歳以上に引き上げることを求めていた。

しかし、イスラエル連盟が議題からの除外を要求し、投票で議案に残すために必要な賛成数に届かなかった(朝日新聞デジタルの2018年6月5日付「フィギュアの年齢制限引き上げず」を参照)。オランダ連盟は17歳を主張したが、他にも16歳という提案もあったそうだ(THE ANSWERの2018年6月5日付「シニアの『年齢制限』引き上げの議論は見送り 『まだ検討する準備ができていない』」を参照)。

女子選手が10代後半の体型変化で高難度ジャンプを跳べなくなって選手生命が短命に終わる例が少なからずあることが懸念されているようだが、ジャンプで高得点を得ることだけに偏らないように採点制度を見直すことで、ある程度は問題解決できるかもしれない。

年齢制限の問題は将来議論される可能性もあるが、現時点では、何故17歳、あるいは16歳にすべきなのか、コンセンサスを得ることは容易ではないと思われる。

基礎点1.1倍のジャンプの数を制限

5日の総会では、フィギュアスケートで演技後半に跳んだジャンプの基礎点を全て1.1倍にする現行ルールが見直され、ショート・プログラムでは最後の1本、フリーでは最後の3本のみの基礎点を1.1倍にすることが承認された。

この基礎点1.1倍のジャンプの見直しは日本スケート連盟の提案によるもので、承認に必要な賛成票を得た(時事通信の2018年6月6日付「基礎点増のジャンプ数制限=SP1本、フリー3本のみ-フィギュア」)。

平昌五輪の女子シングル金メダルを獲得したロシアの15歳のアリーナ・ザギトワ選手は、ショートもフリーも全てのジャンプを基礎点が1.1倍になる演技後半に組み入れて、技術点を稼いでいた。こうした偏ったプログラムには、五輪中から批判が出ていたが、日本の連盟も技術と芸術性のバランスの取れたプログラムを主張していた。

オズモンド選手がGP欠場

一方、カナダ・スケート連盟は4日、2018年3月の世界選手権の女子シングルで優勝したケイトリン・オズモンド選手(22)が来季のグランプリシリーズに出場しないと発表した。

オズモンド選手は連盟を通じて、「まだ競技への情熱がある一方で、他にどんな機会があるか探したい」とのコメントを発表した(時事通信の2018年6月5日付「オズモンド、来季GPは欠場=フィギュア」を参照)。

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