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グランプリ・ファイナル女子は宮原5位、樋口6位で平昌五輪2枠は全日本待ち

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2017年12月8~9日に名古屋のガイシホールで開催されたグランプリ・ファイナルの女子シングルでは、ロシアの15歳のアリーナ・ザギトワ選手が総合で自己ベストの223.30点で優勝し、2位もロシアの17歳のマリア・ソツコワ選手の自己ベストの216.28点だった。

世界女王のエフゲニア・メドベージェワ選手が怪我で欠場していなかったら、表彰台はロシアの10代少女が独占していたかもしれないと思わせるほど、ロシアの選手層の厚みを思い知らされた。それだけに、平昌五輪にロシア勢が出ると出ないでは、レベルが違ってくる。

3位はショート1位発進だった、カナダのケイトリン・オズモンド選手の215.16点だった。4位は表現力が問われる演技構成点でショート・フリーともトップだった、イタリアの30歳・カロリーナ・コストナー選手の214.65点だった。

日本勢は、繰り上げ出場を果たした19歳の宮原知子選手が213.49点で5位、16歳の樋口新葉選手が202.11点で6位だった。それでも、2位のソツコワ選手から5位の宮原選手までの点差は僅か2.79点と拮抗していた。宮原選手が回転不足を修正して、怪我の前の絶好調水準まで回復できれば、もっと高得点が望める。

宮原選手はもっと得点を伸ばせるはず

宮原選手は、ショートでは特にミスもなく、演技構成点はコストナー選手に次ぐ高得点で、74.61点(技術点39.39点、演技構成点35.22点)をマークして、3位発進だった。

ショートは6人とも目立ったミスなしのほとんど完璧な演技ばかりで、1位発進のオズモンド選手の77.04点から6位のコストナー選手の72.82点まで4.22点差しかなかったため、フリーが勝負を分けた。

宮原選手はフリーで、ドリプルルッツ-トリプルトウループの連続ジャンプが2つとも、さらにトリプルフリップでも回転不足を取られた。この計3つの回転不足の減点が足を引っ張り、フリーは138.88点(技術点67.00点、演技構成点71.88点)で4位だった。結果的に、総合では213.49点で5位に終わり、優勝したスケートアメリカでの214.03点に届かなかった。

それでも、今期は左股関節の疲労骨折での欠場を経て11月10~11日のNHK杯でようやく試合に復帰したばかりで、ようやく本調子を取り戻しつつある段階だ。ジャンプの回転不足は修正可能だから、2016年のグランプリ・ファイナルで叩き出した自己ベストの218.33点まで回復できる可能性も十分あるはずだ。

樋口選手は本来の演技ができず

樋口選手は、本人にとっては不本意なほど、場の雰囲気に飲まれて、本来の自分の演技ができず、悔しい結果になったようだ。ショートでは、後半のトリプルフリップが踏切エッジ不明瞭の判定で、小幅減点されてしまった。結果、ショートは73.26点(技術点39.08点、演技構成点34.18点)で5位発進だった。

フリーでは、本人が演技後に漏らしたように、さらにプレッシャーから体が思うように動かず、ミスが多くなった。トリプルサルコウと次のトリプルルッツの回転が抜けて2回転になったところで、本来の演技ができない焦りがうかがえた。

また、ショートに続き、フリーでもトリプルフリップの踏切エッジが不明瞭の判定を受けており、これが癖であれば要注意だ。ダブルアクセル-トリプルトウループの連続ジャンプも、最後の着地が若干乱れて、小幅ながら減点されてしまった。

結果的に、フリーは128.85点(技術点62.67点、演技構成点66.18点)にとどまり、中国杯での141.99点、総合では202.11点で6位の最下位で終わった。3位だった中国杯での212.52点を10点以上下回る不本意な結果だった。

平昌五輪の女子2枠は全日本に持ち越し

今回のグランプリ・ファイナルは宮原選手も樋口選手も表彰台に乗れなかったため、平昌五輪の女子2枠に誰が選ばれるかは、12月20~24日に東京・武蔵野の森総合スポーツ施設で開催される全日本選手権まで、予断を許さない。

ただ、グランプリ・シリーズの戦績だけで見ると、今のところは宮原選手が一歩リードしているように思われる。宮原選手の回転不足のミスは修正可能であり、世界レベルの大きな大会での経験も豊富にあるから、全日本で不測の事態にならない限り、平昌五輪の日本代表に選ばれる可能性が、他の選手よりは若干高いと思われる。

宮原選手の次は、樋口選手、三原舞依選手、坂本花織選手が拮抗しており、本田真凜選手はグランプリ・シリーズの戦績を見る限りは一歩遅れを取っている。結局は、全日本の頂上争いで渾身の演技をして、連盟を納得させられるかどうかにかかっている。

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