フィギュアスケート

平昌五輪フィギュア団体男子フリーの田中刑事は不調、パトリック・チャン本領発揮

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平昌五輪のフィギュアスケート団体戦の男子フリー・スケーティング競技が2018年2月12日午前10時過ぎから行われた。日本の田中刑事選手(23)は4回転ジャンプ3本に全てミスが出て得点が伸びず、フリーは148.36点で5位に終わった。この結果、男子フリー終了時点での日本の順位も5位だった。

もっとも、団体戦ではカナダ、ロシア、アメリカという強豪がメダル候補なのは明らかだったため、日本チームは、メダルを狙いに行くというよりも、個人戦の前にオリンピックの大舞台の雰囲気に慣れることも念頭の人選だったと思われる。

男子フリーでは、ソチ五輪銀メダリストのカナダのパトリック・チャン(27)がようやく本領を発揮し、4回転ジャンプの成功と豊かな表現力で179.75点で1位になった。

2位は個人資格のロシアチームのミハイル・コリヤダ選手(22)だった。4回転なしのアメリカのアダム・リッポン選手(28)が3位、イタリアのマッテオ・リッツォ選手(19)が4位だった。

田中刑事選手は大舞台で不本意な演技に

最終滑走の田中刑事選手は、今回の五輪での初演技となった。初めてのオリンピックでしかも最終滑走ということで、かなり緊張していたのか、リンクに出た時の表情が硬く見えた。楽曲は「フェデリコ・フェリーニ・メドレー」。

冒頭から思うように動けなかった模様で、4回転サルコウの回転が抜けてダブルサルコウになり、次の4回転サルコウの連続ジャンプの予定がダブルサルコウの単独ジャンプになった。後半の4回転トウループでは転倒した。

トリプルアクセルの単独ジャンプは綺麗に成功させたが、フライングキャメルスピンの回転が乱れてレベルが取れなかった。ミスで焦ってしまったのか、陽気な曲なのに表情が陽気になりきれていなかった。

フリーの得点は148.36点(技術点72.02 、演技構成点77.34 、減点1.00点)でフリー5位だった。それでも、個人戦に先立って、オリンピックの大舞台の経験ができたのは良かった。

パトリック・チャン選手が4回転成功と表現力で1位

団体戦優勝を狙うカナダのパトリック・チャン選手は、団体戦ショートに続いての出場となり、ショートでは失敗した4回転ジャンプを成功させ、持ち前の素晴らしい表現力でも魅了した。楽曲は「ハレルヤ」。

冒頭から4回転トウループ-トリプルトウループと、4回転トウループを綺麗に決め、2本とも2点を超える出来栄え点加点を得た。

一方で、苦手と言われているトリプルアクセルは不調で、トリプルアクセルの3連続ジャンプが単独のダブルアクセルになって着氷が乱れ、2本目のトリプルアクセルでは転倒して、回転不足も取られた。さらに、トリプルループで手を付くミスがあった。

それでも、ベテランらしいリカバリーの機転も見せ、トリプルルッツの2連続ジャンプを3連続にして、トリプルフリップにダブルトウループを付けて連続ジャンプにした。

圧倒的な表現力で演技構成点トップとなり、フリーの得点は179.75点(技術点87.67、演技構成点93.08、 減点1.00点)で、フリー1位だった。

ミハイル・コリヤダ選手は4回転ジャンプでミスが続く

個人資格のロシアチームのミハイル・コリヤダ選手も団体戦ショートに続いての出場で、楽曲は「エルビス・プレスリー・メドレー」だった。

冒頭の4回転ルッツで転倒し、次の4回転トウループが3回転になって、回転不足でダウングレードとなり、着氷が乱れてコンビネーションにできなかった。後半の4回転トウループは堪えたが、連続ジャンプが重複になってしまった。

しかし、4回転以外のジャンプは、トリプルアクセルは連続および単独で加点を得るなど、概ね好調だった。フリーの得点は173.57点(技術点88.35点、演技構成点86.22点、減点1.00点)で、フリー2位だった。

4回転なしのアダム・リッポン選手とマッテオ・リッツォ選手は手堅くまとめる

アメリカのアダム・リッポン選手は今回の五輪での初演技となり、4回転なしの表現力勝負の演技を披露した。楽曲は「Arrival of the Birds, O」。

4回転こそプログラムに入れてなかったが、後半のトリプルルッツで回転不足を取られて出来栄え点が小幅減点になった以外は、手堅くジャンプを決めた。フリーの得点は172.98点(技術点86.20点、演技構成点86.78点)で、フリー3位だった。

一方、イタリアのマッテオ・リッツォ選手は、団体戦ショートに続いての出場で、4回転なしで大きなミスのない演技だった。楽曲は「ビートルズ・メドレー」。

ジャンプでは後半のトリプルアクセルが回転不足判定となったが、それ以外はミスなく順調にこなした。フリーの得点は156.11点(技術点78.77点、演技構成点77.34点)でフリー4位だった。

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