フィギュアスケート

羽生結弦の平昌五輪の使用3曲にファンが購入殺到、CDはベストセラーに

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平昌五輪のフィギュアスケート男子シングルで優勝した羽生結弦が使用した楽曲3曲の購入者が急増している。たとえば、2018年2月26日夜11時時点で、Amazonでショート・プログラムとエキシビションの使用曲が収録されているCDアルバム(「ショパン:4つのバラード、幻想曲、舟歌」と「イル・ヴォーロ」)が、それぞれのジャンルでベストセラーとなっている。

また、エキシビション使用曲「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」は当日の25日に早くもAmazonのデジタル配信チャートで前日比4,932%の大幅アップになっていた(AERA dot.に2018年2月26日付で掲載されたBillboard JAPANの記事「羽生結弦選手エキシ使用楽曲がAmazon前日比4,932%アップ! イル・ヴォーロ『ノッテ・ステラータ(星降る夜)』」を参照)。

羽生選手が使用した楽曲は以下の3曲だ。

・ショート・プログラム:ショパン「バラード第1番ト短調 作品23」(クリスチャン・ツィメルマン演奏)

・フリー・スケーティング:「陰陽師・メインテーマ」(アルバム「オリジナル・サウンドトラック『陰陽師』コンプリート」に収録)

・エキシビション:「ノッテ・ステラータ(Notte Stellata, 星降る夜)」(アルバム「イル・ヴォーロ(Il Volo)」に収録)

ショートの「バラード第1番ト短調」はツィメルマンの演奏

ショートで使用したのはショパンの「バラード第1番ト短調 作品23」(演奏:クリスチャン・ツィメルマン)だ。1987年に録音された演奏だが、CD発売や1曲単位のデジタルミュージック配信開始の日付はそれよりもかなり後になっている。

ロマンチシズム溢れるこの曲は、ピアニストによって違った弾き方・サウンドになるから、羽生選手のショート演技で初めてこの曲を知ったファンには、他のピアニストが同じ曲を弾いても別の曲のように感じるだろう。

どのピアニストの「バラード第1番」なのか、以前はファンの間で議論もあったが、2018年2月27日付のスポーツ報知の記事「羽生『曲の解釈』9人中2人が満点 演奏者にまでこだわる『天性の耳』」の中で、羽生選手は音に敏感で、「ショパンの曲もポーランドのピアニスト、クリスティアン・ツィマーマンの演奏を好み『この音じゃなきゃだめ』とこだわりを見せてきた」との記述があり、ピアニストはクリスチャン・ツィメルマンだと確定した(ツィマーマンは英語読みの発音)。

筆者は「バラード第1番」のCDはかなり以前よりルービンシュタインなどの演奏のものを持っていたが、今回初めてツィメルマンの演奏のものを音楽配信で入手して聴いた。かなり緩急の幅があって時に繊細、そしてロマンティック・情緒的な演奏だから、羽生選手がこの音にはまったのだろう。

ツィメルマンと言えば、ショパンコンクール優勝後間もない頃の若々しい姿が記憶にあったが、現在もう61歳と知って驚いた。だが、「バラード第1番」の録音は1987年だから、まだ31歳くらいの情熱的青年だったはずだ(もちろん、おじいちゃんになっても恋愛経験があればロマンチックな演奏はできるだろうが)。

羽生選手がこの曲を使用するよりも前からこの曲を熟知しているクラシック・ファンにとっては、ピアノ楽曲としての盛り上がり部分がカットされる編集になっているのが残念かもしれない。

だが、フィギュアスケートのプログラムとしては、演じる要素がはまるような編集にする必要がある。中盤辺りは割と静かにしておいて、終盤にクライマックスを持ってくるから、こういう編集になるのだろう。

ちなみに、収録アルバムは「ショパン:4つのバラード、幻想曲、舟歌」だが、Amazonプライムの会員であれば、このツィメルマンの「バラード 第1番 ト短調 作品23」1曲配信はAmazonのデジタルミュージックの聴き放題のPrime Musicの対象に含まれているから、タダで聴くことができる。

フリーは「陰陽師・メインテーマ」

フリー・スケーティングの使用楽曲は「映画『陰陽師』より『SEIMEI』」と登録されているが、実際に楽曲を購入しようとすると、CDアルバム「オリジナル・サウンドトラック『陰陽師』コンプリート」収録の「陰陽師・メインテーマ」、もしくは1曲配信を選ぶことになる。

筆者は映画は観ていないが、テレビのドラマなどから陰陽師のイメージはある程度持っていた。オリンピックという世界中の人たちが注目する最高の国際舞台で、日本の羽生選手が和のテイストの曲と衣装を採用したことは、とても素晴らしいアイデアだったと思う。

エキシビションは「ノッテ・ストラータ(星降る夜)」

エキシビションで使用した「ノッテ・ストラータ(Notte Stellata, 星降る夜)」は、イタリアの若手オペラ歌手3人組のイル・ヴォーロが2011年に発売したデビュー・アルバムの「イル・ヴォーロ(Il Volo)」に収録されている。

羽生選手の東日本大震災の犠牲者への想いを込めた白鳥の舞があまりにも美しく素晴らしかったので、その演技と一体だったこの美しい曲への関心もいっきに強まった(2018年2月25日付「平昌五輪エキシビション―羽生結弦白鳥、ハビエルマン、BTSの曲、町田樹解説劇場」を参照)。この曲には、サン・サーンスの組曲「動物の謝肉祭」中の「白鳥」のメロディーのボーカルが入っている。

なお、レコード会社のユニバーサルミュージックの公式サイトに、この曲の歌詞と日本語対訳が、2月26日より期間限定で掲載されている。


*羽生結弦選手の平昌五輪ショート使用楽曲「ショパン『バラード第1番ト短調』(クリスチャン・ツィメルマン 1987年録音)」、フリー使用楽曲「SEIMEI」(サウンドトラック「陰陽師」コンプリートのメインテーマ曲)、エキシビション使用楽曲「ノッテ・ステラータ(Notte Stellata, 星降る夜)」
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