フィギュアスケート

グランプリシリーズ・アメリカ大会で宮原知子が優勝、坂本花織は完璧ジャンプで2位

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11月25~26日開催のフィギュアスケート「グランプリシリーズ 2017」の第6戦のスケート・アメリカ(アメリカ大会)の女子シングルでは、日本の宮原知子選手(19)が総合214.03点で優勝、坂本花織選手(17)が210.59点で2位という、日本勢ワン・ツー・フィニッシュとなった。この2人と3位で204.10点をマークしたアメリカのブラディー・テネル選手は、フリーでは全員ジャンプがノーミスで、ハイレベルな戦いだった。

この結果、グランプリ・ファイナル進出の6人に、ポイント順位6位となった樋口新葉選手が加わることが確定した。他には、ロシアのエフゲニア・メドベージェワ、アリーナ・ザギトワ、マリア・ソツコワの3選手、カナダのケイトリン・オズモンド選手、イタリアのカロリーナ・コストナー選手のファイナル出場が決定している。

また、宮原選手はポイント順位7位、坂本は8位となっており、右足中足骨にひびが入ったと伝えられた順位1位のロシアのエフゲニア・メドベージェワ選手など、今後上位選手の棄権が生じた場合には、補欠繰り上がり出場となる。

強い宮原選手が復活、ジャンプは安定、表現力は断トツ

今年1月に左股関節の疲労骨折で休養に入っていた宮原選手が、ようやく本来の強さを取り戻した。復帰戦となった11月10~11日のNHK杯では、まだ本調子ではなく、総合191.80点で5位に終わっていた。

しかし、今回はショートの冒頭ジャンプの着氷乱れ以外はジャンプのミスはなく、フリーではすべてのジャンプに加点が付いた。また、表現力を示す演技構成点はショートもフリーもトップだった。

「映画『SAYURI』より」を楽曲使用したショートでは、冒頭のトリプルルッツ-トリプルトウループの連続ジャンプの2つ目で着氷が乱れて減点となったが、それ以外は安定感を見せた。ショートは70.72点(技術点36.77点、演技構成点33.95点)で1位発進だった。

「蝶々夫人」を楽曲に用いたフリーでは、ジャンプは回転不足が懸念されつつも、採点表で見るとノーミスで全て加点が付いたが、技術点は3番目だった。それでも、ヨーロッパの番組の解説者が英語で「エレガント」「ビューティフル」と絶賛した表現力は素晴らしく、断トツのトップとなった演技構成点を武器に143.31点(技術点72.23点、演技構成点71.08点)をマークして1位となった。

当然、総合でも214.03点で優勝した。昨年まで3年連続全日本選手権で優勝しただけあって、やはり日本女子のトップは宮原選手、と思わせた素晴らしい演技だった。

坂本花織はジャンプではノーミス

坂本花織はショートもフリーもジャンプはノーミスで、高さのある力強いジャンプで1位の宮原選手よりも多くの加点を獲得し、技術点では宮原選手を抜いてトップだった。トリプルアクセルを検討していたそうだが、今期の試合のプログラムには採用していない。

「月光」を楽曲に用いたショートでは、力強いジャンプを次々と成功させたものの、最後のスピンで一時詰まって点数がやや伸び悩んだ。それでもトップの技術点を武器に自己ベスト更新の69.01点(技術点38.26点、演技構成点31.14点)をマークし、2位発進だった。

「アメリ」を楽曲使用したフリーでは、ショート同様、ジャンプはノーミスで、技術点トップになって自己ベスト更新の141.19点(技術点73.71点、演技構成点67.48点)で2位になった。演技終了直後に坂本選手は、完璧な演技ができた喜びで飛び跳ねていて、無邪気な女の子らしさが微笑ましかった。結果、総合でも自己ベスト更新の210.59点で2位になった。

日本女子シングルの平昌五輪は2枠だけ

平昌五輪の女子シングル出場枠は2枠しかない。1人目は12月20~24日の全日本選手権(東京調布・武蔵野の森総合スポーツプラザ)での優勝者で即決だが、2人目は全日本の2~3位でグランプリ・ファイナルでの上位となった選手から選出されることになっているものの総合判断とみられる。

ジャッジが違うとはいえ、今期のグランプリシリーズで総合200点超えをマークしたのは、宮原知子選手(スケート・アメリカで214.03点)、樋口新葉選手(中国杯で212.52点、ロシア杯で207.17点)、坂本花織選手(スケート・アメリカで210.59点)三原舞依選手(中国杯で206.07点、フランス杯で202.12点)で、本田真凛選手が僅差(中国杯で198.32点)で後を追っている。10代の伸び盛りの選手だけに、グランプリ・ファイナルと全日本で、熾烈な戦いが予想される。

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