フィギュアスケート

平昌五輪フィギュアのアメリカ代表決定、ネイサン・チェンは羽生結弦・宇野昌磨の強敵

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全米フィギュアスケート協会(USFSA)が平昌冬季オリンピックのフィギュアスケートのシングルのアメリカ代表の男女各3枠の選手を決定した。

男子はネイサン・チェン(18)、ヴィンセント・ゾウ(17)、アダム・リッポン(28)の3選手が選出され、補欠の筆頭が親日家で知られるジェイソン・ブラウン選手(23)、次点が全米選手権2位のロス・マイナー(26)選手に決定した。

一方、女子は全米選手権を制したブレイディ・テネル(19)、カレン・チェン(18)、長洲未来(24)の3選手が代表に選出され、2014年ソチ五輪代表だったアシュリー・ワグナー選手は補欠となった。

ネイサン・チェン選手は金メダル候補の1人

18歳のネイサン・チェン選手は、日本の羽生結弦(23)と並ぶ平昌五輪の金メダル候補だ。2017年のグランプリ・シリーズのロシアおよびアメリカ大会とグランプリ・ファイナルで優勝し、全米選手権も制しており、今期無敗の王者だ。

チェン選手はISU(国際スケート連盟)公認の今期自己ベストは293.79点、非公認の全米選手権では315.23点という驚異的スコアを叩き出した。全米選手権のフリー・スケーティングでは、5本の4回転ジャンプを全て成功させ、冒頭の4回転フリップ-トリプルトウループの連続ジャンプでは2.86点の高い加点を獲得した。

国内には強力なライバルがいないからプレッシャーも少なく演技しやすかったとみられるが、国際大会でもプログラムの要素を全て成功させれば、文句なしの金メダルの有力候補だ。

もっとも、羽生選手は2015年グランプリ・ファイナルで330.43点という世界歴代最高記録をマークしており、怪我から完全に復調できれば、金メダルの最有力候補だと言えよう。宇野昌磨選手(20)も調子が上がってくれば、金メダル争いに加われる。

女子はテネル選手が脚光を浴びるが、依然ロシア優勢

一方、全米女子シングルを制して急遽注目されるようになったテネル選手の今期のISU公認自己ベストは、グランプリ・シリーズのアメリカ大会での204.10点だった。全米選手権での219.51点はISU非公認だが、プレッシャーのかかるオリンピックの舞台でもこの得点がマークできれば、メダルが狙えるレベルと言えそうだ。

ちなみに、日本の宮原知子選手(19)の今期のISU公認自己ベストはグランプリ・シリーズのアメリカ大会での214.03点だったが、非公認の全日本選手権では220.39点をマークして優勝した。この上り調子が維持できれば、平昌五輪のメダル争いに十分加われるだろう。

もっとも、女子シングルはヘタをすると、個人資格で出場してくるロシアの3選手がメダルを独占する可能性もある。ロシアの女子シングルは3枠で、モスクワで1月17日開幕の欧州選手権後に代表が発表される。

12月のロシア選手権は、シニア・デビューしたばかりのアリーナ・ザギトワ選手がISU非公認ながら233.59点で優勝した。ザギトワ選手はグランプリ・ファイナルでも世界歴代4位の223.30点で初優勝している。

また、右足中足骨骨折で欠場中の絶対女王・エフゲニア・メドベージェワ選手(18)は、欧州選手権に強行出場する予定だが、いずれにせよこれまでの実績から五輪代表入りが確実視されている。昨シーズンの最後の国別対抗戦では世界歴代最高の241.31点を叩き出したが、今期の自己ベストはグランプリ・シリーズのロシア大会での231.21点だ。ちなみに、ザギトワ選手とメドベージェワ選手は同じエテリ・トゥトベリーゼ・コーチに師事している。

ロシアの女子の3枠目は混沌としており、欧州選手権次第だろう。今のところ有力とみられるマリア・ソツコワ選手(17)は、今期のグランプリ・ファイナルで216.28点で2位となり、ロシア選手権でも221.76点で2位だった。

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