フィギュアスケートの全日本選手権の男子シングルは、大阪府門真市の東和薬品RACTABドームで2018年12月22日にショート・プログラム、24日にフリー・スケーティングの競技が行われ、宇野昌磨選手(21)が合計289.10点で3連覇を達成した。
2位は今季現役復帰したショート2位の高橋大輔選手(32)の、合計239.62位だった。3位はショート4位の田中刑事選手(24)の236.45点だった。
フリーの競技終了後に発表された世界選手権(3月20~23日にさいたまスーパーアリーナで開催)の男子シングルの代表も発表され、全日本優勝の宇野昌磨、3位の田中刑事の両選手に加え、ソチ・平昌五輪金メダリストの羽生結弦選手(24)が代表入りした。羽生選手は右足首の怪我のため、3年連続で出場しなかったが、実績により選ばれた。
なお、高橋選手が世界選手権代表を辞退したことが明かされた。高橋選手本人がインタビューで述べていたところでは、世界と戦う気持ちが持ち続けられなかったというのが、主な理由だった。
考えてみれば、羽生選手と宇野選手は複数の4回転ジャンプが当たり前になった男子シングルで、世界トップ争いをする卓越した存在だが、それ以外の日本男子シングルの選手との差がとても大きかった。
高橋選手はもちろん、ステップの美しさをはじめ、全体として群を抜いて華のある演技が素晴らしかったが、気がつけば4回転ジャンプなしで全日本2位という、本人も驚く好成績を収めていた。
世界選手権までは全く視野に入れていなかったのに勢いで出場すれば、今度は4回転が跳べないとか、表彰台が狙えないとかで、批判されやすい立場になってしまう。ここは、若手に大舞台を経験させる機会を与えるということにしておいて正解だろう。
一方、女子シングルは全日本の結果の上位3人、すなわち坂本花織、紀平梨花、宮原知子の3選手が順当に選出された。
宇野昌磨は怪我の痛みを堪えて3連覇
宇野選手は「天国への階段」を楽曲使用したショートでは、その日の公式練習の初めに右首を捻挫したため、痛みを堪えながらだったが、圧巻の演技だった。
冒頭の4回転フリップでは出来栄え点に3.61点の高い加点を獲得した。4回転トウループ-ダブルトウループ、トリプルアクセルも2.5点超の加点が付いた。
ショートの得点は102.06点(技術点56.81点、演技構成点45.25点)で、2位の高橋選手の88.52点に大差を付けての1位発進だった。
ショートとフリーは中1日開いていたが、公式練習参加を見送った宇野選手は、負傷した右足首のため「歩くことができず、出場するかすごく迷った」と後で振り返っていた。
「月光」を楽曲使用したフリーでは、4回転ジャンプを1本減らして臨んだ。4回転トウループで手を付きステップアウトて出来栄え点で4.07点の減点になるなど、前半はジャンプの着氷が乱れていたが、次第に調子を取り戻した。後半の4回転トウループ-ダブルトウループの連続ジャンプには、3.26点の出来栄え加点が付いた。
フリーの得点は187.04点(技術点97.12点、演技構成点89.92点)でフリーも断トツの1位、総合では(国内大会で非公認ながら)自己ベストの289.10点で優勝した。
個人的には、山田満智子コーチの宇野選手に気合いを入れるような男言葉での呼びかけも興味深かった。
放送予定
地上波では以下の放送予定となっている(日本時間)。
2月8~10日四大陸フィギュアスケート選手権(アメリカのアナハイムで開催)フジテレビ(詳細未定)
3月20日(水)フジテレビ 世界選手権 女子ショート(詳細未定)
3月21日(木祝)フジテレビ 世界選手権 男子ショート(詳細未定)
3月22日(金)フジテレビ 世界選手権 女子フリー(詳細未定)
3月23日(土)フジテレビ 世界選手権 男子フリー(詳細未定)