ネット通販増加で大手運送業者が限界、個人事業主も含めた配送業者多様化の時代へ

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今やネット通販が生活の一部となった人も多いと思いますが、配達を担当する運送業界は、深刻かつ慢性的な人手不足に陥っています。

日本銀行の企業調査である「日銀短観」の2017年12月調査によると、全規模合計で、雇用人員判断で最も深刻な人手不足となっていたのは、宿泊・飲食サービス業で(「過剰」との回答比率%から「不足」との比率%を差し引いた指標で▲62)、2番目に人手不足が深刻だったのが運輸・郵便業(▲47)、その次が建設業(▲46)でした。

日本のネット通販市場はまだまだ成長途上で、これからもどんどん拡大していくと期待されます。

たとえば、2018年2月4日付「日本経済新聞」1面トップには、アマゾンが本格的にアパレル販売を強化していく見込みとの記事が載っています。

ちなみに、記事が注目しているのは、アマゾンが2017年秋に国内で埼玉県に次ぐ2つ目の衣料品などに特化した物流拠点を大阪に開設したのに続き、2018年春に東京都内に大規模な撮影スタジオを開くことです。

しかし、ネット通販での購入が増え続ける一方で、運送業者が深刻かつ慢性的な人手不足であれば、ちゃんと品物が届かなくなるのではないか、と不安に思う人もいるでしょう。

佐川急便に続きヤマト運輸も一部撤退、では誰が荷物を届けてくれるのか?

実際、ネット通販の取り扱い荷物の増加と運送業者の人手不足の問題は、何年も前から深刻化しつつありました。

2013年には佐川急便がアマゾンとの契約を打ち切り、その後(日本郵便と共に)対応を続けてきたヤマト運輸も、2017年前半にはアマゾンの一部配送サービスから撤退と報じられ、ネット通販利用者が突如不安を感じるようになりました。

じゃあ、誰が届けてくれるのでしょうか?

実は、一部撤退したヤマト運輸の代わりにアマゾンの国内配送の一部を担うようになったのが、「デリバリープロバイダ」と呼ばれる幾つかの地域限定の配送業者でした。

たとえば、2018年2月5日現在、アマゾンのサイトの下部のヘルプから入れる国内配送の配送業者の一覧を見ると、「デリバリープロバイダ」の項の注釈には、8つの業者の名称が記されています。

この新たな配送業者の登場に、当初はアマゾンのユーザーたちは混乱し、不安を訴えていました。実際、新参業者が参入して間もない頃は、「荷物が届かない」「追跡できない」などのトラブルをネットに書き込む人もいました。

しかし、配送がちゃんとなされなければ、顧客離れが起きるだけですし、お金を払った通販利用者がトラブルで黙っているはずもありません。アマゾンはちゃんと対応策を講じ、状況は改善しました。

デリバリープロバイダでもちゃんと迅速に届いたし、追跡も可能

実は私は、今月に入って、アマゾンでの購入で佐川急便撤退以降で、初めてヤマト運輸でも日本郵便でもない「デリバリープロバイダ」の配送業者に届けて頂くことになりました。

配送業者は指定できませんでしたので、発送通知のメールにあった、初めて見る配送業者の名前に驚き、若干心細く感じました。それでも、荷物の追跡番号(伝票のお問い合わせ番号)があったのは安心でした。

その配送業者のサイトのTOPページの見えやすい位置に、アマゾン配送のお問い合わせ先情報があり、フリーダイヤルの電話番号、有料電話の電話番号と、荷物の追跡と再配達のネット受付のリンクもありました。

荷物の追跡画面は、残念ながら日付だけで、時間までは表示されませんが、それでも追跡はしっかりなされていました。まず「配送センターからデータを受信しました」、次に「近くの配達店まで輸送中です」、さらに「配達中です」と、ステータスが順番に変わって行き、安心でした。

実は、今回の荷物は自宅に届けるのではなく、別の住所に届けるものだったため、無事に届くか心配しました。しかし、実際には何の問題もなく、プライムの翌日配達で、予想よりも早い時間に受取人から到着の連絡が入りました。

大手業者が限界で、個人事業主も含め多様化へ

その業者のサイトのTOPページには、独立開業して宅配ビジネスをやりたい人を募集している広告がありました。つまり、配送担当者は、運送会社の正社員ではなく、契約している自営業者なのでしょう。

ネット上では、「ヤマト運輸さん、戻って来てください!」との声もかなりあるようです。真偽は不明ですが、「日付配達便にすれば、ヤマト運輸になる可能性が高いのでは?」とのネットへの書き込みもありました。

大手のヤマト運輸のドライバーさんたちが信頼できる素晴らしい人たちであることは、私も同感です。

ですが、運送業界の慢性的な人手不足という現実を考えれば、多様な配送チャネルを受け入れざるをえない時代になっていくのだろうと思います。大手運送業者が請け負えないのであれば、中小企業や個人事業主さんの手を借りた配送体制となることは必然です。

ネット通販業者側も、顧客離れは困るはずですから、顧客が訴える問題には真摯に対応してくれると思います。

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この記事を書いた人

元会社員、新しいことを一生懸命学び続けるブロガーです。

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