フィギュアスケート

フィギュアNHK杯で宮原知子選手は本調子に戻らず5位、1位はメドベージェワ

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フィギュアスケートの「グランプリシリーズ 2017」のNHK杯は11月10~11日に大阪市中央体育館で開催され、女子シングルには日本から3人が参戦したが、宮原知子選手(19)の5位が最高で、残念ながら17年ぶりに表彰台を逃した。

1位は世界女王のロシアのエフゲニア・メドベージェワ選手の224.39点、2位はイタリアのカロリーナ・コストナー選手の212.24点、3位はロシアのポリーナ・スルツカヤ選手の210.19点だった。4位はトリプルアクセルに挑んだが減点に終わったアメリカの長洲未来選手の194.46点だった。宮原選手は191.80点で5位、本郷理華選手(21)は187.83点で7位、白岩優奈選手(15)は171.94点で8位だった。

11カ月ぶりに復帰の宮原知子選手は、まだ本調子ではない

宮原選手は今年2月上旬に左股関節の疲労骨折と診断され、世界選手権などを欠場した。8月上旬にも左足を捻挫しており、今期初戦となるはずだった10月6~8日のフィンランドでのフィンランディア杯は欠場した。このため、本大会は11カ月ぶりの公式戦となった。

まだ本調子ではなかったのか、従来の宮原選手にしては珍しく、ジャンプのミスが目立った。映画「SAYURI」よりの選曲で臨んだショートでは、冒頭のトリプルルッツ-トリプルトウループの連続ジャンプは回転不足でダブルトウループになった。トリプルループとダブルアクセルは加点が付いたものの、得点は伸び悩んで65.05点(技術点31.02点、演技構成点34.03点)で、6位発進となった。

オペラ「蝶々夫人」を楽曲使用したフリーでは、トリプルルッツ-トリプルトウループの連続ジャンプで回転不足となり、トリプルフリップはダブルフリップになり、ダブルアクセルは回転不足となり、トリプルサルコウがダブルサルコウになった。結果的にフリーは126.75点(技術点58.23点、演技構成点68.52点)で6位、総合では191.80点で5位に終わった。

次は11月25~27日のスケートアメリカに出場するが、グランプリファイナルへの出場の可能性はほぼなくなった。それでも、怪我からの復帰後の調整が遅れていた段階から、宮原選手は既に12月20~24日に東京・武蔵野の森総合スポーツ施設で開催される、平昌五輪選考会を兼ねた全日本選手権に照準を合わせている。

自己ベストの218.33点をマークした2016年グランプリファイナルの時のような絶好調を取り戻せれば、平昌五輪のメダル争いにも加われる実力があるだけに、全日本に向けて十分に調整をして臨んでもらいたい。

メドベージェワ選手はフリー不調も断トツ優勝

世界選手権2連覇のロシアのエフゲニア・メドベージェワ選手は、今月19日の誕生日で18歳になるという若さながら、今回も圧倒的強さを見せた。ショートでは3つのジャンプを基礎点が1.1倍になる後半に入れ、全て加点がついた。結果、ショートは79.99点(技術点41.71点、演技構成点38.28点)で、2位のコストナー選手に5点以上の差をつけて、1位発進だった。

フリーでは冒頭のトリプルフリップで転倒し、次のトリプルルッツも着氷が乱れた。しかし、その後後半の5つのジャンプではしっかりと態勢を立て直した。フリーでは、この若さで映画「アンナ・カレーニナ」という大人の女性の世界観の曲を選んでいるが、表情も豊かで、長い手足を活かして見事な表現力だった。

結局、ジャンプのミスにもかかわらず、フリーは144.40点(技術点70.40点、演技構成点74.80点、減点1.00点)で1位だった。総合では224.39点で、2位に12点以上の差をつけての優勝だったが、ロシア大会での231.21点を下回った。日本のアニメのファンで、日本のテレビのバラエティー番組に出て、日本のフィギュアスケートファンの間でも親近感を持たれるようになっている。

30歳のコストナー選手が凄い

イタリアのカロリーナ・コストナー選手は、またしても30歳という年齢を感じさせない強さを見せた。ロシア大会の時は奇跡だと思ったが、今回は本物だと証明してくれた。ショートでは、冒頭のトリプルトウループ2連続は、2つ目で軸が傾いて着氷を何とか堪えた。ショートは74.57点(技術点37.25点、演技構成点37.32点)で、2位発進だった。

フリーでは、冒頭の2連続のトリプルトウループの2つ目が2回転になり、3連続ジャンプの最後のトリプルサルコウで転倒し、最後のダブルトウループは3回目で無効になるなど、ジャンプのミスが目立った。それでも、持ち前の優雅な表現力で、出場者でトップの演技構成点を獲得し、137.67点(技術点69.96点、演技構成点75.71点、減点1.00点)で3位だった。総合では212.24点で2位となったが、ロシア大会での215.98点には届かなかった。

ロシアのジャンプ・ノーミス少女が3位

3位はロシアのポリーナ・スルツカヤ選手で、今期シニアデビューして参戦した。172センチと長身で、ジャンプに高さがあり、余裕なのではないかとの印象すらあった。ショートは3つのジャンプ全てに加点が付き、自己ベストの70.04点(技術点38.78点、演技構成点31.26点)をマークして3位発進だった。

フリーでもジャンプにミスはなく、出場者中最高の技術点を獲得して140.15点(技術点74.38点、演技構成点65.77点)で2位に浮上した。総合では自己ベストの210.19点で3位だった。ロシアの平昌五輪のシングル女子の3枠は、相当熾烈な争いになりそうだ。

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